食べやすさに加えて、日本食ならではの“見た目”と“素材本来の味”

四季折々の色鮮やかな日本料理。
1830年創業で、あの夏目漱石にも愛された老舗料亭「なだ万」。

「なだ万」
「なだ万」
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その「なだ万」とアサヒグループ食品が介護食を共同開発した。
18日に発表されたのは、茶わん蒸しが2種類と、煮こごりが2種類の計4品。
150円ほどで販売される一般的な介護食と比べ、およそ2倍の値段(270円~)で販売する。

今回の商品では、食べやすさとともに、日本食ならではの見た目や、素材本来の味を引き出すことに力を入れている。

アサヒグループ食品ベビー&ヘルスケア マーケティング部・林和弘部長
茶わん蒸しは彩りを気にして、ニンジンを入れたり、青ネギを入れたりするアイデアを持っていたが、なだ万から色味はカニの赤身で出すとか、青ネギのところはいんげんを代わりに使うというようなアイデアをいただいて、実際そう作り上げた。

アサヒグループ食品ベビー&ヘルスケア マーケティング部・林和弘部長
アサヒグループ食品ベビー&ヘルスケア マーケティング部・林和弘部長

約20年にわたり介護食づくりを手がけてきた企業のノウハウと、老舗料亭のこだわりが注ぎ込まれた介護食。
介護世代の中心である40代以上の人の8割以上に知られる「なだ万」と共同開発することで、介護食自体を知ってもらい、売上につなげたい狙い。

全国で要介護者600万人…様々な企業が介護食に力を入れる

要介護の認定者数は、全国で600万人を超える中、介護食に力を入れる企業はほかにもある。
キユーピーは、ムース状の肉じゃがや、かむ力が弱い人でも食べられる煮込みハンバーグなど、約60種類の介護食を展開。

キユーピーの介護食
キユーピーの介護食

イトーヨーカドーでは、介護食の売り場を約3倍に増設し、250種類の商品をラインアップした。

イトーヨーカドー 大井町店 ヘルス&ビューティー担当・山村ひかりさん
仕事帰りの客が増えた。男女共働きの世帯が増えて、仕事帰りに寄って、自宅に帰って介護食を作る手間を省きたいという客の要望が多くて、売り場を増やした。

イトーヨーカドー 大井町店 ヘルス&ビューティー担当・山村ひかりさん
イトーヨーカドー 大井町店 ヘルス&ビューティー担当・山村ひかりさん

介護食商戦は、高齢化社会にともない、今後、ますます拡大していくとみられる。

介護期間は平均で約12年…食事時間を豊かにできるかは重要

三田友梨佳キャスター
今後シニアの食事や栄養への関心は高まりそうですね。

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
介護の専門の方に話を聞くと、介護の期間は平均で約12年ほどあると言われているようです。この12年間毎日3食ありますから、この時間が豊かな時間になるか、食事の時間を楽しみにできるかは介護される方もそうだし、介護する側にとっても非常に重要なポイントです。

石倉秀明氏
石倉秀明氏

三田友梨佳キャスター
食べやすさもそうですけど、美味しいと食事を用意するご家族も嬉しいですよね。

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
そうですね。介護される側も栄養を採るために食事をするというのはもちろんなんですけど、それだけではなくて、自分の好きなものだったりとか美味しい物を採れるという選択肢が広がるということは、やはり心豊かにするもので、非常に良い取り組みだと思います。

三田友梨佳キャスター
食べることはただ体に栄養を補給するだけでなく、美味しかったという満足感があると、体が元気になりますし、気持ちも明るくなる。高齢化が進む中で介護食のさらなる質の向上にも期待が高まります。

(「Live News α」2月18日放送分)