姿が見えないから「空気を察することができない」

700人の社員全員がリモートワークで働く会社「キャスター」取締役COOの石倉秀明氏にテレワークを成功させる3つのポイントを聞いた。

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
ポイントは3つあるかなと思います。一つ目はピンチが見えにくい?じゃないかという所。テレワークを始めますと、同僚の姿が物理的に見えなくなってきますよね。そうすると、その方が本当に業務で困っていたりとか、忙しくて慌ててしまっているような状況が、姿が見えないので空気で察することができない。ですので、困っている本人から、今困っているから助けてほしいということを積極的に言ってもらうことがすごく必要になるんです。困っている状況というのは中々本来言い出しにくいようなネガティブな情報でもあると思うが、そういったことを言い出しやすいような雰囲気や環境を普段から作れているかどうかってのがすごく大事かなと思います。

三田友梨佳キャスター:
オフィスで同じ空間を共有しないだけに環境作りが大切だということですよね?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
そうですね、何でも言いやすいかどうかが非常に大事かなと思います。

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業務のやりとりばかりだと…“仕事だけの関係”に

三田友梨佳キャスター:
そして仕事だけの関係に?っていうことですが。

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
こちらもテレワークで仕事していくと基本的にはチャットやメールを通してテキストのコミュニケーションが中心になるんですね。テキストのコミュニケーションの中で業務の指示だったり、報告をしていく形になっていくので、どうしても普段の仕事に比べると会話における仕事や業務の比率っていうのは非常に高くなる。ただチームで仕事していく中でやはり個人の人間関係だったりとかチームワークを高めていくということは成果を上げるために非常に必要なポイントだったりする。そしてテレワークの環境の中でもあえて業務以外の話題をやる。(オンライン上に)雑談をするような部屋を用意して、雑談の時間自体を非常に増やすことも必要ですし、弊社でやっているのはオンラインの会議ツールを使ってみんなでランチをしながら業務以外の会話を増やしていくような工夫とかもしているので、そういったことは非常に必要だろうなと思う。オフィスだと隣同士の方同士でちょっと立ち話をしたりとか一緒にコーヒー買いに行ったりランチをしながら業務外の話をして人間関係を深めていくことはあると思うけど、それと同じようなことをオンラインの中でもできるようにしていくのがポイントの一つかなと思う。

三田友梨佳キャスター:
仕事以外の時間にこそ意味があるということですね

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
そうですね、その会話の量を増やしていくのが非常に必要ですね

仕事量が「見える化」される

三田友梨佳キャスター:
そして三つ目、これはどういうことでしょうか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
テレワークを導入するという相談の中で、テレワークにするとやはり従業員がサボるんじゃないか、と言うようなご心配いただく方も非常に多いかなと思うんですよね。

三田友梨佳キャスター:
見えないですからね。

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
ただテレワークで仕事していくと、実は全く逆でして。普段の仕事のコミュニケーションというのをやはりテキストの中でチャットを通してずっとやっていくことが多くなる。そうするとどうなるかというと、全ての会社の会話だったりとか仕事の状況というのと、チャットを見れば全て分かる状況になってくるので、物理的な姿はオフィスで働いている時に比べて見えなくなるけど、実はメンバーの働いている状況だったり、話している内容だったりとか、考えている事というのはリモートワーク・テレワークになったときの方が見えると。なのでマネジメントする側から見ても、実は管理しやすくなってきますし、働く方からしてもコミュニケーションずっとしながら仕事を進めていくのでむしろサボるというよりは働きすぎてしまうことをどう抑制するかのほうがポイントになる感じですね。

三田友梨佳キャスター:
自分の仕事を改めて見つめ直すきっかけにもなりそうですけれども、一人一人が予防するだけでなくて社員を守るのも会社の務めだと思います。
企業のリスク管理が問われています。

(「Live News α」2月18日放送分)