“日本一熱い男”と呼ばれる松岡修造さん。

2月27日(木)放送の「直撃!シンソウ坂上」(フジテレビ系)では、彼が滅多に話すことのない家族の話や熱血キャラとなった原点について、番組MCの坂上忍に明かした。

独特なすしの食べ方

まずは、都内のすし店で松岡さんの“食”へのこだわりについて坂上が聞くと…

「基本は一人で行く。話さない。(すしを握る人と)向き合うのが好きなんです」と話すように、独特なおすしの食べ方があるという。

皿に置かれたガリを食べる坂上に、松岡さんは「僕はそういうことしません。最初に握ってもらったすしを食べたい」と、握られたすしが皿に置かれるとすぐさま手に取った。

すしを口に入れるときには舌の上にすしのネタがくるように縦回転させて口に入れ、シャリとネタが口の中で広がる感覚を感じているといったこだわりを明かし、坂上を驚かせた。

また寝付けないときは、普通は「羊が1匹…」と数えることが定番であるところを、松岡さんは「1貫目がトロ、2貫目がサバ…」と目を閉じながらイメージをしているといい、「すごく大事。何となく食べていたら絶対に味わえない」と明かした。

妻から入ったクレーム

異常なまでの食へのこだわりを持つ松岡さんは、フジテレビで毎週日曜日に放送している「松岡修造のくいしん坊!万才」のリポーターを20年務め、3月で放送1000回を迎える。

エンターテイナーの印象が強い松岡さんだが、日本を代表するテニスプレイヤーでもある。

ウィンブルドン選手権でベスト8を達成し、世界ランキングは最高46位と、当時の日本記録を次々と塗り替えたスーパースター。オリンピックにも3度出場し、1997年に惜しまれながらも引退。

その際に行われた会見では、「引退ではなく“卒業”。新しい修造の始まり」と発言。引退会見から3ヵ月後には、元テレビ東京アナウンサーの田口惠美子さんとの婚約を発表した。

この会見から23年、現在、松岡家は2人の娘と1人の息子の5人家族。昨年は長女が宝塚歌劇団に入団したことで話題になった。

結婚については、「(妻は)学校の成績もトップで僕にないものをたくさん持っていた。この人と一緒になったら僕は絶対に幸せになれると思ったんです。守ってくれる気がした。だから、僕は結婚する前に『僕は幸せになる自信がある。でも、幸せにする自信はない』と言いました」と明かし、坂上を驚かせる。

「幸せにする自信はない」と言い切った松岡さんのプロポーズを笑って受けとめた妻・惠美子さん。今では「本当だったね」と松岡さんに話しているという。

さらに、“応援”が生きがいの松岡さんに、惠美子さんは「その1000分の1でいいから、自分の家族を応援してくれ」と痛烈なクレームを入れてくるとのこと。これに対し松岡さんは「自分では応援しているつもり。でも、違うんでしょうね」と笑った。

また、息子と中華料理を食べに行ったお店で衝撃を受けたエピソードも明かしてくれた。

「隣に座っていた方が話し掛けてきて、(息子に)『お父さんの息子でいいな』と言って去って行ったんです。そしたら、息子が『ケッ!』ってすごく怒っている。『お父さんは大変なことをしているんだぞ、人をだましている』って。『本当のお父さんをみんな知らない』と。基本的に子どもたちとは何でも話せるという意味で仲が良いんですけど、妻いわく、『そこに心はあるかどうかが大事』とよく言われます。だから、(僕は)自分中心なんだと思います」

ロケ先で目撃!“ど天然行動”

テニスの現役選手時代は年間10ヵ月もの間、海外に行っていた松岡さんは「日本を旅する」という夢を持っていた。そして、現役を卒業して2年後に舞い込んできたのが、日本全国の郷土料理を紹介する「くいしん坊!万才」の仕事だった。

坂上に「僕はプロフェッショナルテニスプレイヤーを13年間やっていた。今は、“プロフェッショナルイーター”として、20年やっている。だから、テニスよりもプロ生活が長いんです」と自慢する松岡さん。

そこで、2019年末に行われたロケに密着。すると、松岡さんの“ど天然行動”の数々が露わに。
この日のロケ場所は横須賀市。まず目にしたのはロケが始まる前、車内でフクロウの鳴き声のような声を出し、発声練習をする姿。
今回の題材は、高校生でありながら田んぼや畑を管理し、野菜を直売所などで販売する斉藤くんが作った自家製野菜のポトフ。

斉藤くんがレシピや食材の説明をする隣で、もくもくと食べ続け、おかわりもしてしまった松岡さん。その結果、まるまる鍋一杯分のポトフをたいらげ、「ブツ撮り」という料理単体の撮影のために使うポトフまで食べきってしまっていた。

10年番組に携わる松澤ディレクターは「あればあるだけ食べちゃう。ブツ撮り用とちゃんと分けておかないと後でエライ目に遭います」と明かす。

また、ロケ先でも松岡さんの“ど天然行動”は炸裂し、松澤ディレクターは「『散歩へ行ってきます』と言われて、『1時間半くらいかかるのでその間に帰ってきてください』と言ったんですけど、料理の撮影が終わっても帰ってこなくて。そしたら襟足がぬれたまま帰ってきて、『どこに言ったんですか?』と聞いたら『隣の家でお風呂入ってきた』って」と告白。

また、食リポでも仰天するような珍場面があった。ある放送回で牛肉のおすしを食べた松岡さん。じっくり時間をかけて存分に味わったあと、ようやく発した言葉が「どんな気持ちですか?」。まさかの質問返しに店主も思わず「どういうことですか?」と困惑するしかなかった。

自由すぎる松岡さんに松澤ディレクターは「“何味か”とか関係ない。自分が何を思ったのか、1分ぐらい話さない。2分半の番組で(食べてからコメントまで)1分も待てませんよね。もう編集のこととか考えてないんです」と笑った。

さらに別の回では、撮影の準備中にもかかわらず、ロケ先にあった家庭用プールに入って楽しむ松岡さんの姿も。

「もう抑えられないんです、気持ちが急に入っていってマネージャーさんが嬉しそうに撮っている。うちの番組のことを仕事だと思ってなくて、もう旅行ですね」(「くいしん坊万才!」松澤ディレクター)

とにかくつかみどころのない行動をとる松岡さん。「くいしん坊」のロケは台本を読まずに臨んでいるため、松岡さんいわく「完全に素」だという。

しかし、牛肉のおすしを食べて“質問返し”をしたことについて「それが面白さだと思った」と、“計算”した行動だったと明かした松岡さん。これに対して坂上が「松岡さんの行動は“素”ではなく“計算”なのか?」と問い詰めると、「それは捉え方。僕は『くいしん坊!万才』では、いろんな自分がいる中で“素”の姿を見せています」と熱弁した。


それに反論するように坂上が「百歩譲って、(番組中が)素なら、本当のプライベートが分からない!プライベートでこれだったら、オレが奥さんだったらついて行けない」と指摘すると、松岡さんは少し寂しそうに「だから家で嫌われるわけです」とポツリ。その様子に思わず坂上が「それはないから!」とフォローした。

白血病の少女との出会いで…

プロデビューからわずか3年で、当時の日本人最高位となる世界ランク60位という快挙を成し遂げた松岡さん。しかし、その直後、両膝の半月板損傷という選手生命を脅かす危機が松岡さんを襲う。

当時のインタビューでも「すごいショック」と語っているように、テニス人生で初めて味わった挫折で、周囲に隠せないほど落ち込んでしまったという。

ケガからの復帰を目指してリハビリに励む中、リハビリの先生から「入院患者にテニスファンの子がいるから会って欲しい」と頼まれ、軽い気持ちで引き受けた松岡さんは、その少女がいる病室を訪れる。

入院していた中学生くらいの女の子の病名は知らなかったが、明るい笑顔が印象的で、「修造さん、私の分まで頑張ってください!」とエールを送られる。

松岡さんは「今でもパッと出てくるんです。もう最高の笑顔で『分かったよ。じゃあ、やってくる!』と行くんですけど、1回戦負けで帰ってくるわけです」と振り返る。

そして数週間後、再び病室を訪ねた松岡さんは、リハビリの先生から少女について「君がこの前会ったとき、もう2週間しかない命だったんだよ。白血病だった」と衝撃的な事実を伝えられる。そう、少女はもう亡くなっていたのだ。

「もう、恥ずかしい思いと悔しい思いと…(自分は)甘ちゃんなんです。だから、僕はスマイルをものすごく大事にするようになった。一つ気づいたのは、いつも“Why”だったんです。『なぜ、俺はこうなっちゃうんだ』、『なぜ、こんなに頑張っているのに』と。彼女と出会って“How”という方向に動いたんです。『自分はこの状況で“どうやったら”勝てるようになるんだろう』と前に進めたんです。だから、僕の本当の笑顔は彼女と出会ってからです。笑顔ほど最強のものはない。キツい時とか嫌なことがあっても笑顔になったら、作り笑いでも笑顔になったら、自然に(良い方向に)動いていくんです」

余命2週間の少女に気づかされ、ケガを乗り越えた松岡さんは、1995年に夢の舞台であるウィンブルドン選手権でベスト8入りを果たした。

白血病の少女が教えてくれた笑顔の大切さと前向きな気持ち。これがきっかけで、人々を本気で応援することが生きがいとなった。

こうした経験を経て、現在は日本テニス協会男子ジュニア強化プロジェクトとなっている「修造チャレンジ トップジュニアキャンプ」を1998年に設立。自身の経験を生かし、熱血指導を続けている。その教え子の中には、錦織圭選手も名を連ねている。

そして、東京オリンピック日本選手団の公式応援団長にも就任した松岡さん。

最後に同い年である坂上から「もう52歳じゃないですか。この先、どうなるんですか?いつまで応援しているんですか?」と問われると、松岡さんは「僕は2020年の東京オリンピック・パラリンピックが終わったら、“灰になる”って宣言したんです」と告白。

東京オリンピック・パラリンピックを、“灰になる”ほど全力で応援する覚悟だという松岡さん。坂上に「出し切るということは引退か?」と畳みかけられると、質問の最中にもかかわらず出されたおすしをパクリ。これは“天然”なのか“計算”なのか…どこまでもマイペースな松岡さんだった。

(「直撃!シンソウ坂上」毎週木曜 夜9:00~9:54)