前回ゴール・ポストを動かし続ける韓国に対し、国家としての日本は事実上我慢するしか選択肢が存在しない旨書いた。(非常に不愉快なことだが、、、)

そして約束を守らないことに関してはもっとひどい北朝鮮との付き合い方についてアメリカの北朝鮮問題の専門家2人が7日付けのニューヨーク・タイムズ紙に載せた意見広告で「交渉を始めるための下準備の話し合いを開始すること(talks about talks)」を薦めていると紹介した。

北の核開発はアメリカへの攻撃を狙ったものではなく自衛の為だ

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“talks about talks”を薦めるこの二人は単なる研究者ではない。
二人ともトランプ氏の当選以降ジュネーブやオスロ、モスクワなどで開催された非公式接触に参加するなど北朝鮮当局者とのコンタクトを豊富に持っている人々である。(もちろん、ピョンヤン訪問もしている。)

特に二人のうちの一人ジョエル・ウィット氏は94年のジュネーブ合意で当時のクリントン政権のチームの一員として実際に北朝鮮と交渉をした経験も持つ。

二人は言う。「北朝鮮はリビアの独裁者・カダフィ大佐やイラクのサダム・フセインとその一族の身に起きたことを肝に銘じている。だからこそ彼らはアメリカに届く核ミサイルの獲得を最優先課題にしている。モスクワでの接触で北朝鮮当局者はアメリカと均等な力を獲得するまで開発を続けると明言している」「だが一筋の光明を見出すとすれば彼らが目指すのは(米露のような)膨大な軍備ではない。彼らが目指すのは自衛のために必要と彼らが考える兵器を持つことだ。」「プライベートな会話では自衛に十分な武器を獲得したら次は経済成長が最優先になると北の当局者は言っている」

つまり北の核開発はアメリカへの攻撃を狙ったものではなく、あくまでも自衛の為であるからアメリカ政府はとにもかくにも話し合い(talks about talks)を始めるべきだ水面下で外交官レベルの接触を秘密裏に開始せよと薦めるのである。

戦争より話し合いが良いのは「誰でもわかること」(トランプ政権関係者)で、現実問題として、こうした“talks about talks”を密かに始める以外に事態打開の方法は考えにくい。(そして、既に、細々と始まっていても不思議ではない。)
現在の緊張を和らげる為なら、話し合いの為の話し合い(talks for talks)でも構わないという考え方だってある。(韓国の考え方はこちらに近いのかもしれない。)

長期的な外交目標を掲げるべき

だが、問題は何を目指すか?合意を如何に担保するか?である。
別の言い方をすれば、約束を守らない北朝鮮の人々に約束をどうやって守らせるか?でもある。

これらを曖昧にしたまま単に話し合いの為の話し合い(talks for talks)を始めるなら事態は一時的には沈静化するだろうが、その先に待ち受けるものはもっと悪くなる。
二人の専門家は続ける。
「核の無い朝鮮半島はアメリカの主たる目的として維持すべきである。トランプ政権がこの即時実現を目指す一方、専門家の中には、現実的では無いこの非核化目標はあきらめるべきとの議論もある。だが我々はどちらにも与しない。非核化が一夜にしてなる訳は無い。しかし北朝鮮当局者が受け入れ可能と示唆したように長期的な外交目標として掲げるべきである」と。

約束を守らない北朝鮮と信頼関係を醸成する方法とは

だが、約束を守らない北朝鮮をどうやって信頼せよというのか?
二人は続ける。「まず北朝鮮が核とミサイルの実験を停止する。次にアメリカと韓国は軍事演習の規模を縮小する(筆者注;斬首作戦の演習を止めよということか)。もしくは経済制裁を少し緩めるなどの措置を執る。さらに北朝鮮は核・化学・生物兵器の密売をしないと確約する」等によって信頼を醸成せよと。

未確認だが、9日付けのニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば「アメリカ国務省は北朝鮮に対し、60日程度の実験停止期間を経たら直接対話の開始が可能になり得ると伝えた」という。

トランプ大統領自身も韓国国会での演説で北朝鮮に対話を呼びかけた。そして中国の次の訪問先のベトナム上空の機内で同行記者と懇談し、詳細は明かさなかったが「習主席が非核化を目指すと明言したのは重要な発言だ。中国は制裁を少しずつさらに強めると思う」と述べ、中国政府との調整が進んだことを示唆した。

トランプ大統領の場合、リップ・サービスを本気と勝手に思い込んでいる恐れがゼロではないのが心配ではある。

が、習近平氏との間でもかなり突っ込んだ意見交換をしたのは間違いない。

北朝鮮が再び実験に踏み切るか否か?
中国が水面下で制裁を強化するか?
北への働きかけを強めるか?
韓国は腰砕けにならないか?
日本は中韓露とも連携を強化できるか?
トランプは辛抱しきれるか?
今後数ヶ月の動きは死活的に重要に思える。