リーグ突破条件 複雑にからんだ一戦

4年に一度のサッカーの祭典、FIFAワールドカップ・ロシア大会。日本時間の28日、1次リーググループH最終戦で、日本VSポーランドの試合が行われた。
 
結果、日本代表は0-1でポーランドに敗北。しかし、同じ時間に行われたグループHのもう1試合で、コロンビアが1-0でセネガルに勝利。日本とセネガルは勝ち点、得失点差、総得点のいずれも並んでいたためフェアプレーポイント(受けた警告などの少なさ)でセネガルを上回り、日本は決勝トーナメント進出を決めた。

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木下康太郎フィールドキャスター:
日本代表は、決勝トーナメント進出を決めました!試合が大きく動いた後半戦を見ていきたいと思います。

・両チームともに無得点で後半戦スタート

・後半14分、ポーランドが先制ゴール

 

木下:
ポーランドの1点により、状況が一変します。この時点ではセネガルとコロンビアが0-0だったので、このままいくと日本は3位で予選敗退となってしまうからです。その後、西野朗監督は選手交代をし、積極的に得点を取りにいきます。

しかし、試合はその後さらに大きく動いた。

木下:
後半29分で、コロンビアが1点を決めたんです! これによって、日本はこのままいけば決勝トーナメントに進出できる状況となりました。そこで日本がとった作戦は…今までとガラリと変わったんです。とにかくゆっくりボールを回して、“時間稼ぎプレー”を始めました。この、点を取りにいかない消極的にも見えるプレーに、会場では大きなブーイングが起こりました。

 
グッディ!では、コロンビアがゴールを決めた後半29分から、長谷部誠選手が交代で入り“時間稼ぎプレー”をはじめる後半37分、この8分間の間に何があったのか? 舞台裏を独自に取材した。

 
木下:
その時何があったのか? 実は、ベンチでは大きな決断を進めていました。

決勝に進むため…「イエローもらうな」の指示

・後半31分、コロンビアが1点を決め、現状のままだと日本が2位だとわかった手倉森誠コーチは、西野監督に“2位通過できるかも”と伝える
⇒コーチはさらにキャプテン・長谷部選手にも2位通過できる可能性を伝える
⇒長谷部選手は控えにいた本田圭佑選手に伝え、控え選手に現状が伝わる

・後半32分、長谷部選手は試合に出ている長友佑都選手の近くへ行き、“イエローカードをもらうな”と伝えた



ハマカーン浜谷:
イエローカードもらうな!の言葉だけで、すべて伝わるんですね!

木下:
選手はもちろんルールを把握していますから。

・後半33分、控えの香川真司選手は試合に出ている武藤嘉紀選手、乾貴士選手に“イエローをもらうな!”と伝え、そこから他の出場選手にも現状が伝わっていった

・後半36分、交代出場した長谷部選手が「イエローもらうな!パス回して時間使え!」と伝え、“時間稼ぎプレー”がはじまった


 
木下:
長谷部選手が交代出場したころ、みなさんに共通意識が伝わって“時間稼ぎプレー”がはじまったようなんです。

松井大輔氏(サッカー元日本代表):
僕としては決して“時間稼ぎ”ではなく、決勝トーナメントに行くためのプレーだと解釈しています。決勝トーナメントに行くのが一番大事ですから。

安藤優子:
でも見ている方とすれば、“日本は負けてるのに、もう1点取りにいかないの?”っていう思いはあるんですよ。

松井氏:
わかります。選手もそうですけど、勝ってトーナメントに行きたかったと思います。でも、日本のサッカーとしては成長したんじゃないかなと。これが日本のサッカーでできたっていうのは歴史にも残りますし。他の諸国も同じ状況になれば(このようなプレーを)絶対にやりますよ。

三田友梨佳アナウンサー:
西野監督も試合後に“本意ではなかったし、選手たちも本意じゃなかったと思う”とおっしゃってたように、こうやってフェアプレーの数で決まるっていうルールがある以上、仕方のないことだと思いますし、責めるなら選手ではなくルールそのものを責めるべきじゃないかなと思いました。

安藤:
選手の方もあの大ブーイングの中で、つらそうでしたが…
 
松井氏:
選手は、ブーイングの中でも決勝トーナメントへ行くことを考えるしかなかったと思います。日本のサッカーは、メンタル面も強くなったと思います。昔だったらあたふたしちゃったり、監督と選手の意思の疎通ができなかったかもしれないですよね。

ハマカーン浜谷:
(これ以上失点しないよう)守ると言っても、みんなが意思疎通して一枚岩にならないと守れないですもんね。

松井氏:
一つになれたっていうのは、この試合では大きかったんじゃないかなって思います。

選手と監督結束固く…次戦に注目

ハマカーン浜谷:
あのブーイングも、きっと次に生かされますよね。あんなに悔しい思いをしたんだから。

三田:
ブーイングしていた方も、結果としては、次の試合も見られるっていうのが一番うれしいですよね!

 
今後も日本代表の活躍に注目が集まりそうだ。


 (「直撃LIVE グッディ!」6日29日放送分より)