速見佑斗コーチから受けたとされる一連の"暴力"について、29日午後に会見に臨んだ体操女子・宮川紗江選手(18)。

会見で宮川選手は「本気で伝えたいという思いが行き過ぎた指導になったと思うのですが、速見コーチが私に対して『暴力』を振るったことは、決して許されることではなかったのだと今は理解しています」と指導中に暴力があったことは認めつつ、"パワハラ"とは感じていなかったと説明した。

"暴力"はあったが「無期限の登録抹消」処分は重すぎる

宮川選手はリオデジャネイロオリンピックに出場し、48年ぶりとなる団体4位に貢献。

2年後の東京オリンピックでもメダルが期待されている選手の一人だ。

しかし今月、二人三脚で東京オリンピックを目指していた速見コーチが"暴力"を振るっていたとして、日本体操協会から無期限の登録抹消処分となった。

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この件について、宮川選手は「事実として手で叩かれたり髪の毛を引っ張られたことはあります。大けがや命に関わるような場面では特に厳しく指導されました。私の記憶の限りでは"暴力"とされる行為で指導を受けたのはそういう場面です」と明かした。

そして、速見コーチが受けた、「永久追放」に次いで重い「無期限の登録抹消」処分は重すぎると主張。

これに対して日本体操協会・山本宜史専務理事は「被害者本人が我慢出来たからとしても、(暴力は)決して許されることではありません」といかなる理由でも暴力は認められないと改めて明言した。

体操協会による"パワハラ"の事実を認めてほしい

さらに宮川選手は「速見コーチの処分に至るまでの経緯で、納得の出来ない不自然な出来事がいくつも起こっていました。『強化本部長』が大きく関わっていたことは間違いないと確信しています」と衝撃の告白を始めた。

強化本部長とは、日本体操協会の常務理事も務める塚原千恵子氏のことで、自身も女子体操日本代表として1968年のメキシコオリンピックに出場。

夫で現在、日本体操協会の副会長・塚原光男氏は、オリンピック3大会で5つの金メダルを獲得し、息子の塚原直也氏はアテネオリンピックの金メダリストと、まさに体操一家だ。

7月15日の代表合宿初日の練習中に、宮川選手は千恵子氏と光男氏の待つ部屋へ一人で呼ばれたという。そこでは「千恵子氏から『暴力の話が出ている。あなたが認めないとあなたが厳しい状況になるのよ』と何度も言われた」といい、「あのコーチはダメ、私なら速見(コーチ)の100倍は教えられる』とも言われました」と会見で明かした。

速見コーチからの暴力を認めないと、自身が厳しい状況になると告げられたという宮川選手は「『オリンピックにも出られなくなるわよ』という発言もありました。私はこれこそ権力を使った“暴力”だと感じます。体操協会にはこれらの“パワハラ”の事実を素直に認めて頂きたいと私は切に願います」と訴えた。

コーチを排除したのは「朝日生命体操クラブ」に入れる目的では?

速見コーチから暴力があったことを認めないと、「オリンピックに出られなくなる」といった千恵子氏の発言の背景について宮川選手は、「最初から速見コーチの過去の暴力を理由に速見コーチを排除して、『朝日生命に入れる目的』なんだと確信に変わりました」と主張した。

千恵子氏は「朝日生命体操クラブ」の女子監督も務めているため、「私が朝日生命に入ることで朝日生命が注目されるというか、利益を得る。速見コーチの存在が邪魔だということで」と、コーチから引き離して朝日生命体操クラブに入れるためだったのではないかと明かした。

これについて日本体操協会・山本専務理事は「必要であれば、さらにいろいろな調査というのは、当たり前の話ですることになると思います」と話した。

そして、30日朝、日本体操協会からパワハラを受けたとする宮川選手の主張を、塚原光男副会長が「全部ウソ」と全面否定し、一方、塚原千恵子強化本部長は、報道陣の前に姿を見せたが無言で車に乗り込んだ。
午後にも出すとされるプレスリリースでの、日本体操協会の対応に注目が集まる。

(「めざましテレビ」8月30日放送分より)