福岡県内では花見シーズンを迎えますが、2020年は新型コロナウイルスの影響で関連イベントの中止が相次いでいます。

大きな打撃を受ける業界の中には、新たなアイデアで乗り越えようという動きが出ています。

日本人に春の到来を感じさせてくれる「桜」。

先週、九州のトップを切り福岡でも開花が観測されました。

例年であればこれからの時期、県内の桜の名所は宴会しながらの花見で賑わうはずですが・・・

【記者】

「花見スポットとして毎年にぎわうこちらの公園なんですが、設置された看板には宴会自粛の文字が記されています」

2600本の桜の木がある北九州市内の公園。

先週、職員が、園内をまわり、花見の際の宴会自粛を呼びかける看板を取り付けました。

【福岡県営中央公園巡回指導員 西本剛さん】

「自粛するっていうことも非常に大切なこと。ウイルスの感染防止ということで取り組んでおりますので、みなさんにぜひともご協力お願いしたいと思っております」

感染拡大を防ぐための措置ですが、花見の宴会自粛は飲食業界にとって死活問題ともなっています。

福岡市にある弁当店、3月から4月にかけては花見や新卒採用のイベントなど1年のなかでも1、2を争う「稼ぎ時」ですが、2020年はまるで様相が違います。

【マンジャ 営業 永吉真策さん】

「2月の末にどんどんキャンセルが毎日のように増えまして」

この弁当店の売り上げの大半は団体客からのものですが、新型ウイルスの影響で予約を受けていた弁当のほとんどがキャンセルになりました。

【マンジャ 営業 永吉真策さん】

「お肉とかお魚の仕込みのストックスペースなんですけど、注文量が激減してまして通常の3分の1くらいのストックになってます」

感染拡大前は、1日およそ1000食作っていた弁当は今では100食程にまで減り、3月初めからの2週間でおよそ1000万円もの損失が出たといいます。

こうした状況に負けてはいられないと、店では思い切った値段設定で勝負に出ています。

それはこの500円のワンコイン弁当。

通常は1000円ほどする内容の弁当を、地元企業や臨時休校で給食が出ない小・中学校の職員などに期間限定で販売しています。

さらに店では自宅で花見に行った気分を味わってほしいと、鮮やかな彩りを意識した春限定の花見弁当の販売も始めました。

【マンジャ 営業 永吉真策さん】

「なかなか団体で花見っていうのは難しいかもしれないんですが、せめてご自宅で花見気分を味わっていただいたり、少しちょっと春の季節を感じていただければと思っております」

そして宴会自粛が呼びかけられる中、桜を楽しみたいという人が訪れているのが・・・

【記者】

「こちらの生花店には春の花がたくさん販売されているんですが、奥には桜の花が顔をのぞかせています」

この店では2月下旬から、1束500円前後の早咲きの桜の売れ行きが好調です。

また、卒業式の中止などで需要が減っている花と組み合わせてアレンジした1000円ほどのミニブーケの売れ行きも伸びているといいます。

【お子さん】

「かわいいと思います」

【お母さん】

「ちょっと外出しにくいかなっていうのがあるので、せめておうち」

「変わりますね、部屋の雰囲気と気持ちと」

【野の花 石橋真由美さん】

「なかなか外でみんなで集まるっていうことはできないんですけれども」

「お花見を諦めるのではなくて、おうちでの時間を楽しむお花見をしてもらえたらと思います」

さらに、2020年はこんな花見も登場しています。

桜が咲いているのはパソコン画面の中。

気象情報会社のウェザーニューズは、自宅で花見を楽しめるようにとバーチャルで花見ができる動画を無料で公開しています。

京都の嵐山や青森の弘前公園など、全国50以上の桜の名所を360度見渡せ、まるでその場所にいる感覚を味わうことができます。

桜のシーズンを直撃している新型ウイルス。

例年と同じ花見は望めないものの、ちょっとした工夫で春を感じてみてはいかがでしょうか?