男の声で『誰だか分かる?』 高齢女性の“だまされたフリ作戦”とは

不審な電話が来た時の対処法を事前に話し合っていた家族がお手柄。見事に特殊詐欺の受け子の逮捕に繋げた。警視庁町田警察署に逮捕された職業不詳の西林利彦容疑者・20歳。
今月12日、仲間とともに東京・町田市の女性(70代)から現金をだまし取ろうとして現行犯逮捕された。逮捕のきっかけは、女性が機転を利かせて取った、ある行動にあった。

12日午後3時頃、女性の自宅に、男の声で「誰だか分かる?」との電話が入った。女性は当時、夫と一緒に家にいたが、不審に思い、とっさに夫の名前を答えた。すると男は「そうだよ」と返答、この時点で女性は、オレオレ詐欺グループからの電話だと気付いたという。

待ち合わせの場所で渡されたのは”ダミーの札束”

その後、男は、女性の息子のフリをして「病院に行った時にカバンを忘れた。カバンには仕事の書類と小切手と携帯電話が入っていた。高額の取引があったので、今は上司が工面してくれている。何もしない訳にはいかないので、いくらか用意できないか」と伝えてきた。

町田署員がワイシャツ姿の西林容疑者を取り囲んだ
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女性は、すでに詐欺だと気付いているが、だまされたフリをして「200万円くらいなら用意できる」と告げ、電話を切った後に町田署に通報。女性は、町田署に協力し、“ダミーの札束”が入った紙袋を持ち、約束の時間に待ち合わせ場所に出かけた。そこへ現れたのが、息子の会社の同僚を名乗るワイシャツ姿の西林容疑者だった。女性が“ダミーの札束”を渡した瞬間、西林容疑者は、近くで張り込んでいた捜査員に取り囲まれ御用となった。

1週間前に不審な無言電話 家族で"詐欺撃退"会議

女性のとっさの行動によって、「ダマす」側の詐欺グループが、気付かぬうちに「ダマされて」解決したこの事件。実は、この女性の自宅には、事件の1週間前に、不審な無言電話がかかっていた。今回の事件との関連は分かっていないが、その後、家族で話し合い、もし不審な電話があり、『誰だか分かる?』などと尋ねられたら、『夫の名前』を答えようと決めていたという。
調べに対し「お金がないからやった」と容疑を認めている西林容疑者。
町田署は余罪があるとみて調べている。

フジテレビ社会部・警視庁担当 石竹 爽馬