活発な前線が停滞している影響で、九州地方では8月11日から断続的に激しい雨が降り続いている。1年前の九州の大雨で甚大な被害を受けた地区の住民は降り続く雨に不安を隠せない。

福岡県と熊本県には発達した積乱雲が連なって、集中豪雨をもたらす「線状降水帯」が発生した。

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気象庁は、12日午後2時前に福岡県と熊本県に線状降水帯発生情報を発表。非常に激しい雨が同じ場所に降り続き、災害の危険性が急激に高まったためだ。

また、大雨警戒レベルの最も高い「緊急安全確保」が熊本・和水町と大分・九重町に出された。

こうした中、熊本市では雨で道路が冠水し、商店街が立ち並ぶアーケードも冠水した。

災害級となる恐れがある今回の大雨。過去の河川氾濫で川が氾濫し、甚大な被害を受けた地域には再び不安が広がっている。

大分・日田市では1年前に大雨被害…住民は不安の声

その一つが、大分・日田市の天ヶ瀬温泉街。11日は激しい雨が降り続き、近くを流れる玖珠川は増水し、茶色い水が勢いよく流れていた。

この玖珠川は2020年7月、九州を襲った大雨で氾濫した。川に架かる橋は壊れ、路上には濁流で押し寄せられた流木などが散乱。甚大な被害を受けた。

あれから1年。再び危惧される災害に住民からは不安の声が聞かれた。

住民:
不安ですね。正直なところ…

住民:
怖いです。また同じことが起きるような気がしますもんね。心配です

全国で“災害級大雨”に厳重な警戒を

さらに、停滞する前線に伴った雨雲は、西日本や北陸、東海などあちらこちらで発生。いつどこで大雨になってもおかしくない状況だ。

今回の雨は西日本から東日本の広い範囲で長期間にわたり、災害級となる恐れがある。土砂災害や道路冠水、河川氾濫などに厳重な警戒が必要だ。

(「イット!」8月12日放送より)

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