福岡県の保育園で5歳の園児が送迎バスの中に取り残され、熱中症で死亡した事故。園児の欠席届の確認を怠るなど、園側のずさんな実態が明らかになった。

送迎バスを1人で運行、欠席届の確認もされず

7月29日、福岡県中間市の双葉保育園で、園児の倉掛冬生ちゃん(5)が送迎バスの中に日中、約9時間に渡って取り残され、熱中症で死亡した。

倉掛冬生ちゃん(遺族提供)
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発生から1週間となった8月5日、警察は炎天下で閉めきられた車内の温度などを調べる現場検証を行った。

その結果、閉めきった車内の温度は40℃に達し、その後、最高で50℃を超えていたことが新たに分かった。

現場検証の様子

なぜ、こんな痛ましい事故が起きたのか。取材を進める中で、園側のいくつもの過失が重なり、幼い命が失われたとみられることが分かってきた。

冬生ちゃんが取り残されたバスは、少なくとも1年半前から女性園長が1人で運行していた。当日の朝の経緯について、女性園長は「冬生ちゃんは降りたと思っていた。自分がバスの鍵をかけた」と話している。

福岡県保育協会は、「園児の安全確認の観点からみても、送迎バスを1人で運行することは考えられない」としている。

事故後に開かれた保護者説明会では、園のずさんな実態が明らかになった。

保護者説明会(7月31日)

女性園長:
(園児を)降ろしたあとに、最後尾の席まで行ってはっきりと確認しておけば、冬生くんがバスから降車していないことに気づけたと思います。すいませんでした。申し訳ございません

双葉保育園では、迎えのバスに乗る際に園児の体調などを記録した「バスカード」を保護者から受け取り、担任に引き継ぐ決まりだったが、女性園長はこれを怠っていた。カードの引き継ぎもされていなかったことから、担任は姿が見えない冬生ちゃんを「欠席扱い」にしていた。

本来なら、ここでも電話かSNSによる欠席届の有無を確認する決まりになっていたが、それもなされていなかった。

担任との確認連絡を怠り…「わざとではない」

園児7人が乗るバスを運転していた女性園長は、冬生ちゃんがバスに乗ったことを認識していた一方で、バスから降りていないことに気付いていなかったという。

さらに、担任も冬生ちゃんが教室にいないことで、確認もしないまま「欠席」だと信じ込んだという。

女性園長:
担任に「冬生くんはお休みです」と言ってないのに、冬生くんがいないことで担任から確認の連絡が今回はなかったので、私は登園していると思っていた

保護者A:
(連絡は)いつもするの? 「今回は」と言ったが

女性園長:
いつもは本当にしています

保護者A:
なんで今回はしないの? 今回に限ってしてないことが多すぎる。わざとですか?

女性園長:
わざとではない

子供をバスに閉じ込め? 保護者たちの追及に園長は

さらに保護者会では「子供を閉じ込めていたのか」との指摘も。

保護者B:
子供を閉じ込めたりしているのですか? 子供たちも(閉じ込められたのを)見たと言っている。今回もわざとバスに閉じ込めた?

女性園長:
日常的に閉じ込めて怒ることはしていない

保護者C:
自分の孫も「閉じ込められた」と(言っていた)

女性園長:
私も許される行為ではないと思っています

保護者B:
認めないのですか? 子供から聞いた保護者の方はどれだけいる?

保護者たち:
はい。はい。はい

保護者B:
これでないってことは、ないんじゃないですか?

警察は保育園の安全管理に問題があったとみて、業務上過失致死の疑いで調べを進めている。

(テレビ西日本)