エイリアンみたいな魚?

福岡県・糸島市にある福吉漁港。この時期は牡蠣の収穫がピークを迎え、近海ではカワハギやカレイ、ヒラメなど旬の魚が水揚げされている。そんな中、漁業者関係者たちは“ある魚”の存在に頭を悩ませていた。

地元の漁師A:
ごみにしか見えない。

地元の漁師B:
エイリアンみたいなやつですかね、気持ち悪いです。

いったい、どんな魚なのか。その正体を探るため、漁に同行させてもらった。
海の中に帯状の網を仕掛ける「刺し網漁」を用いるという。
網を引き上げてから5分ほど経つと、その魚が姿を見せた。

クサウオ

地元の漁業関係者が「ナマズ」と呼ぶ謎の魚の正体は「クサウオ」だった。 
北海道から九州中部周辺にかけて生息しているが、食用は一般的ではないという。

通常は捨てられてしまう運命のクサウオだが、太宰府市の飲食店ではクサウオを料理に活用していた。

味は問題なし、見た目に難あり

クサウオのキムチ鍋(左)から揚げ(右)

真っ赤な彩りのキムチ鍋。クサウオを旬の野菜と煮込み、熱々の鍋料理に仕立てていた。そして、「クサウオのから揚げ」だ。熱を通すと身は崩れやすくなるが、から揚げにすると旨味を衣で閉じ込めることができ、食感も楽しめる。クサウオメニューを開発した、お店の人は…


飯屋いの吉・釘本高光店長:
アンコウとかそういった、すごく上質なコラーゲンを伴った白身ですね。まったくクセがないです。すごく料理に向いています。


実際に口にしたお客さんは… 

お客A:
白身でやわらかくて、非常においしい。

お客B:
ふわふわしていて、やわらかい味で、さっぱりしておいしい。

と、なかなかの高評価だったが、実際に食べた「クサウオ」の写真を見てもらうと、思わず目をそらしてしまうようなリアクションだった。味とは対象的に、見た目には厳しい評価のようだ。

海の厄介者の上手な活用法は他県でも

こうした“海の厄介者”を“新たな名物”に変える試みは、神奈川県でも行われていた。三浦市で養殖されている「ムラサキウニ」は、高級なバフンウニと比べ、味が劣るとされている。
海草などを食い荒らすことにより、海底の地面や岩がむき出しになる磯焼けを引き起こすなど、猛威をふるっているムラサキウニ。だが三浦市ではこのムラサキウニを養殖し、高級食材として売り出そうとしている。

神奈川県水産技術センター 企画資源部・臼井一茂主任研究員:
キャベツを細切りにしたやつをエサにしています。

キャベツを食べてないウニ(左)食べたウニ(右)

三浦半島はキャベツの産地で、出荷する際に出る規格外のキャベツや葉っぱを、ムラサキウニのエサとして利用していた。比べてみると、キャベツをたくさん食べていたムラサキウニの方は、中身がぎっしりと詰まっていた。神奈川県によると、今年3月から漁協や民間の市場でも養殖を開始するということだ。

新橋では深海魚が人気の天ぷら屋も

そして、東京・新橋にある天ぷら屋さんでは、一風変わった具材の天ぷらが、お客さんの人気を集めているという。それは「タナカゲンゲ」という、日本海やオホーツク海などに生息する深海魚だ。その独特な見た目などから、かつては不人気だったというが、今ではこのお店の人気メニューに。

タナカゲンゲ

立天〇・桐井浩さん:
昔はやっぱり捨ててたらしいんですけど、食べてみたらおいしいと。脂があって。ということで、うちでも扱うようになったんです


“海の厄介者”から“人気の食材”へ。地元の創意工夫で、新たな海のスターが誕生している。

(「プライムニュース イブニング」1月15日放送分より)