夜の駐車場から車が盗まれる瞬間の様子。映像を撮影したのは、被害者自身だった。

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実は、この車が狙われた特別な理由があった。

被害者の目の前で愛車が盗まれる

事件は名古屋市内のコインパーキングで、7月12日未明に起きた。

スポーツカーの周りをうろつく1人の人物。このとき、運転席にもすでに1人が座っている。

被害者:
オイ何してんねんて!!オイ!車パクんな!!オイ!!車パクんな!!!

被害者が大声で注意するが、構わず発進。

さらにその後、仲間が乗ったとみられる車が追いかけるように走り去っていった。

約20秒間のこの動画。

撮影した当時の状況について、被害者の男性が教えてくれた。

――どういう状況?

被害に遭った男性:

テレビを見ていて、ハンドル脱着の時のクラクションが鳴って「ん?」と思って、急ぎ目でここで発見して撮影した。

動画を撮影した当時の状況を語る被害男性
動画を撮影した当時の状況を語る被害男性

当時、自宅にいた男性。外から自分の車のものと似たようなクラクションが聞こえたため確認したところ、怪しい2人組を目撃。とっさに動画を撮影したという。

90年代のスポーツカーが窃盗グループに人気?

盗まれたのは1991年に販売開始した、マツダ「RX-7 FD3S」という人気のスポーツカー。

男性は2020年4月、中古車として販売されていたこの車を310万円で購入。サーキット場でその走りを楽しんでいた。

被害に遭った男性:
生きがいだったので車が…本当に大切にしようとしていた車だったので、悔しいですね。

盗まれたマツダ「RX-7 FD3S」
盗まれたマツダ「RX-7 FD3S」

専門家によると、今回盗まれた車は“窃盗グループには人気の車”だという。

――窃盗被害多い?

日本カーセキュリティ協会 攪上智久代表理事:

非常に多いですね。ここ数年ですけど、特に目立つのは去年末ぐらいからずーっと多い。やはり今その頃(1990年代初頭)みたいなハイパワーのマニュアル車のスポーツカーが(現在は)ない

映画やテレビゲームの影響で、1990年代初めに出た日本のスポーツカーが、欧米や東南アジアで大人気になっているという。

しかし、現在では排ガス規制などがあるため、当時のようなスポーツカーは販売されない状況。

さらに、現在の車に比べ防犯機能が劣っていることなど、さまざまな要因が重なり、盗難被害が多発していると分析する。

男性は被害届を提出。警察は窃盗事件として捜査している。

(「イット!」7月12日放送分より)