生息範囲が拡大中

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神奈川県横須賀市内の山中に30日設置された捕獲器に入っていたのは、黒い目と長い尻尾を持つリスだ。実はこのリス“特定外来生物”に指定されているクリハラリス。別名、タイワンリスだ。

日本固有種であるニホンリスは目の周りが白く尻尾が上がっているなどの特徴がある。一方、タイワンリスは尻尾が下がっていて、目の周りに白い毛がない。

取材した業者では市からの委託を受け29日に126台の捕獲器を設置。わずか半日で14匹のタイワンリスを捕獲した。

このタイワンリスについて日本哺乳類学会は28日、生息範囲が拡大しているため対策が必要だとして神奈川県に要望書を提出した。

要望書によると、タイワンリスは1950年代に江の島や鎌倉市の山林で野生化。その後も生息範囲を広げ、2000年代に入ると横須賀市や横浜市南部まで広がり、2017年には相模川を越えた横浜市の北部でもその姿が確認されているという。

電話線がかじられる被害も…

具体的に、どのような被害が出ているのだろか?被害が報告される三浦市にあるミカン農家を訪ねた。

三浦石井みかん園 石井孝太郎さん:
タイワンリスに、このミカンがたくさん食べられている状況です。

みかん以外にも大根が食べ荒らされるられる被害が報告されている。

専門家は、被害は畑の作物だけでなく住民の生活にも影響を及ぼす可能性があると指摘する

森林総合研究所 多摩森林科学園 林典子研究員:
鎌倉市内では電話線をかじられる被害が出ていて、電話線の改修で莫大な費用が掛かったと聞いています。

森林総合研究所 多摩森林科学園 林典子研究員:
これ以上タイワンリスの生息地域が拡大していくと、元々日本に住んでいるニホンリスとかムササビとか、似たような生活をしている動物への影響がかなり出てくる可能性が高いですね。

ニホンリスの減少など日本固有の生物だけでなく、人間の生活にも被害を及ぼしているタイワンリス。
各自治体も対策に力を入れている。積極的に対策を行っている横須賀市では、市内に1248台の罠を設置し、多いときでは年間4000頭以上捕獲している。

しかし、被害は一向に減らないという。

森林総合研究所 多摩森林科学園 林典子研究員:
もともと神奈川全体で何頭いるか推定が難しいが、10万頭は軽くいそうなんですよね…。通常タイワンリスは1年に1~2回繁殖するのが普通なんですけど、一回の繁殖で1頭が2匹くらい産むんですよ。

繁殖率の高さから生息範囲の拡大を止めるまでには至っていないのが実情だという。
神奈川県に隣接する地域へも広がる懸念のあるタイワンリス。日本哺乳類学会では現在の各自治体での対応に加えて計画的で組織的な捕獲対策が必要と訴える。

(プライムニュース イブニング 2019年1月30日放送分より)