福岡市早良区で中学3年の少年が車にはねられ死亡した事故で、警察は逮捕した男を現場に立ち会わせ実況見分を行った。
また男の運転は、事故が起きる前から男の自宅周辺で危険視されていたことが明らかになってきた。
容疑者立ち会いで実況見分
6月10日午後9時すぎ、福岡市早良区の城西橋近くは、車線が規制され、物々しい雰囲気に包まれた。

記者:
山田容疑者が、車に乗り込みました
警察官:
手を押さえて、手を押さえて。フードをちょっとはずせんかな?

警察官:
顎を上げてもらっていいですか?
過失運転致死の疑いが持たれている会社員・山田穣容疑者(57)が、逮捕から17日ぶりに事故現場に姿を現し、実況見分に立ちあった。

山田容疑者は5月2日、福岡市早良区城西で、友人と道路を自転車で横断していた中学3年の少年を、制限速度を超える車ではね、死亡させた疑いが持たれている。
事故当時、山田容疑者が乗る高級外車は、制限速度の約2倍にあたる時速100km近いスピードが出ていたとみられている。

桜井福大記者:
山田容疑者が車から出てきました
実況見分には、被害者の位置などを再現するため自転車も用意され、山田容疑者が事故直前、どのような運転操作をしたのかなどを確認したとみられる。

「間違いなく事故を起こす運転」
これまでの取材で山田容疑者は、事故直前まで、対向車線にはみ出しての追い抜き行為や、クラクションを鳴らしての幅寄せなど、危険な運転を繰り返していたことが分かっている。
実は、山田容疑者の危険な運転は今回だけではなく、以前から目撃されていた。
子供:
この車って何?
撮影者:
すごく運転が荒い人

子供:
中にいるの?
撮影者:
黙っといて
撮影されたのは、事故の9カ月前。
場所は、事故があった早良区の現場に近い、福岡市中央区・南当仁小学校近くのコンビニ駐車場だ。

黒いスポーツカーが、駐車スペースをはみ出し止められている。しかもここは、身体が不自由な人向けのスペースだった。
車は以前、山田容疑者が自らの車としてSNS上で紹介していた高級車だ。

子供:
あっ! あの人!

高級車におもむろに乗り込んだ山田容疑者。
すると、山田容疑者が乗る車はエンジンをうならせ走り去っていった。
子供:
危ないね!
撮影者:
危ない人だね!
子供:
速っ! 速くね!? ルール違反だね!
また別の日。
撮影者:
飛ばしすぎだよね

山田容疑者の車は、小学校側にある片側1車線の道路を猛スピードで暴走している。
撮影した男性:
見かけたのは5~6回。ああいう運転を普段からしているので、あっという間にいなくなるが、一旦停車とかはしないし、信号無視もそうですし…。小学校の通りが狭いので、証拠として撮っておかないといけないと。危ない運転していたので
山田容疑者の逮捕後、警察には、自宅周辺の住民から「山田容疑者の運転から子供を守るため通学路を変えていた」、「逮捕されて安心」といった声が複数寄せられたという。

撮影した男性:
あの方の実際の運転を見ていると、間違いなく事故を起こす運転をしている

撮影した男性:
僕もあおられたことがある。真後ろにつけていて、距離がすごく近くて。事故を見た時に「やっぱり起こってしまったんだな」という気持ちになった
“時速100km近い速度”…おおむね認める
山田穣容疑者:
(中学生が)そのまま来たんですよね。出ると思わなかったです、僕は
警察官:
分かりましたんで

事故発生直後、警察に対し、「制限速度くらいで走行していた」などと話していた山田容疑者だったが、捜査関係者によると、これまでの調べで、100km近い速度を出していたことはおおむね認める供述をしているという。
(テレビ西日本)