梅雨に懸念されるのが河川の氾濫。去年、浸水被害に見舞われた江の川の支流の一部で堤防のかさ上げ工事がこのほど終了した。災害後の治水対策で初めての終了地点となったが、被害流域全体を見るとゴールはまだまだ霧の中で、完了の見通しはついていない。

去年7月に起きた江の川の氾濫、あれから間もなく1年・・・支流の一つで大きな動きがあった。

安部 大地記者:

「江の川支流・こちらの八戸川では堤防のかさ上げ工事が行われました。これまでよりも約3メートルほど高くなったということです」

江津市桜江町を流れる八戸川は江の川の支流の一つです。こうした江の川の支流では、本流の増水によって水がせき止められて支流に逆流する「バックウォーター現象」がたびたび起きていて、最近では3年前と去年、ここ八戸川でも周辺一帯が水に浸かった。

この災害を受けた緊急の治水事業として、島根県は約1.8キロにわたる堤防のかさ上げを決め、約16億3千万円の事業費と約2年半の工期かけてこのほど工事を終えた。残る堤防道路の舗装工事などを今年度中に終え、事業を完了させるとしている。かさ上げが終わった堤防はどれほどの能力があるのかというと・・・。

島根県浜田県土整備事務所・小村 武彦土木工務部長:

「平成30年の7月豪雨とか令和2年の豪雨できた高さの水位に対して守ることができる」

3メートルかさ上げすることで、3年前と去年の2度の水害と同じ程度の水量になっても川から水が溢れ出ない想定だ。堤防近くに住む人は・・・。

住民:

「親父たちの代から「どうにかならないか」という話はしていた。この度、堤防のかさ上げをしてもらって完成したのをみると安ど感はある」

ただ県が管理する支流のうち、去年の水害で浸水被害を出した支流は37河川あるが、こうした治水事業がほぼ終わったのは八戸川のこの地点だけで、他の支流はもちろんこの八戸川でもまだ着手すらされていない地点があるのが実状だ。

県では37の支流のうち八戸川など6つの支流を最優先で進める方針だが、現場での建設工事など本格的な事業はほとんど進んでいません。

島根県浜田県土整備事務所・小村 武彦土木工務部長:

「用地買収が必要な所は、相手のこともあるので、一概にいつ完成とは言えない。これからの整備で間に合っていない所はあるが、一日も早く整備を進めたい」

大きな事業費と長い時間、それに社会情勢もからんで進みにくい治水事業の中で、今年もやってきた梅雨・・・住民の不安な日常が続いている。

住民:

「なかなか100%安全は望めない、人間の頭で考える以上の事が起きますからら」