飲む、飲む、飲む…の結果、男性トイレに長い列!

9月20日から約6週間にわたったW杯ラグビーが終わった。
「ONE TEAM」「ジャッカル」「笑わない男」など流行語も生まれた。
2019年は、日本にラグビー文化が根付いた歴史的な年になるだろう。
開幕前、「ラグビーファンが飲むビールの量はサッカ-ファンの6倍」という記事も多く見られたが、実際はどうだったのだろうと気になって調べてみた。

まずはW杯ラグビーのワールドワイドパートナーであるハイネケン(国内販売製造はキリンビール)は、対前年比340%(9月単月)とスゴイ数字を記録していた。
確かにスタジアム内ではハイネケンしか飲めないという状況、そして特にヨーロッパ系の国のファンは競うようにビールを買い込んでいたので、これは当然の数字ともいえる。

 
 
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私自身、東京や大分の会場に足を運んだ経験で言うと、日本人はゲーム中にビールを飲むのに対し、特に欧米人は試合前、試合中、試合後、ずっと飲んでいる。
ある会場で実際に見たのは、試合中フランス人に呼び止められたビールの売り子女性のもとに次から次へと注文が入り、それが15分ほど続いた結果、一歩もそこから動くことなく、ついには背中のビールが空になっていたケースさえあった。
スタジアムのトイレは、女性でなく男性の方が長い列ができているのが当たり前の光景となっていた。

「ビールを6倍飲む」は“伝説”か?事実か?

某ビール会社勤務の友人に聞いたところ、興味深い数字が明らかとなった。
10月2日大分で行われたニュージーランド対カナダ戦。
主催者発表で観客は3万4411人、この日ビールは約1万3000リットル消費されたという。
普段のサッカーの試合(大分トリニータ)は約1400リットルということで、ビール消費量はラグビーが9倍ということになる。

これで単純に9倍とはいかないのは、W杯ラグビーが普段のサッカーの観客より多いから。
大分トリニータの2019年平均観客数を調べてみると1万5163人(9月23日現在)。
つまりNZ対カナダ戦、3万4411人はサッカーの約2.2倍の観客が入っていた計算となる。
これをひとりあたりに直すと・・・
「サッカーに比べ、ラグビーファンのビール消費量は6倍多い」はあながち大げさでなかったことがわかる。
またサッポロライオンが運営している新宿のアイリッシュパブでは、9月時点で最高で前週の5.5倍の販売量を出したそうだ。

当然決勝トーナメントはアルコール量も増えるのは間違いなく、W杯ファンはビールを6倍飲むという“都市伝説”は決して伝説ではなかったことがわかった。

(フジテレビ報道スポーツ部 坂本隆之)

坂本 隆之
坂本 隆之

1990年入社後、カメラマン・政治部・社会部・スポーツ部・番組プロデューサー・クアラルンプール、ベルリン、イスタンブールの支局勤務を経て現在はマルチメディアニュース制作部長。バルセロナ・長野・シドニー・リオ五輪やフランス、ドイツW杯の取材経験あり。