新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだアメリカでは、さまざまな規制が解除され、経済の再開が加速している。

市場の分析や企業経営にくわしい、経済アナリストの馬渕磨理子氏に話を聞く。

(リアルで大勢の人が集まる大規模展示会が再開するなど、ワクチン接種が進んだアメリカでは経済の再開も加速しているようだが?)

馬渕氏「感染が広がる中で、アメリカの失業率は14%台まで一時悪化していましたが、経済の再開を受けて現在は6.1%まで戻しています。4月の農業部門を除いた求人件数は、2000年の統計開始以来、最高を更新していますが、ここにきて、採用件数が足踏みしています」

(働ける機会があるのに働く人が増えていないとはどういうことか?)

馬渕氏「採用意欲の強い宿泊や飲食などの接客業は、今も消えたわけではない感染リスクと低賃金などが敬遠される傾向があります。また、政府からの給付金や失業保険の特例給付などの手厚い補償が、働く意欲をそいでいるのではないかという指摘もあります」

(日本は経済の再開で先行するアメリカのあとを追うようにしているが、雇用の回復に関してはまた事情が異なるようだが?)

馬渕氏「日本は感染拡大による雇用の悪化は最大で3.1%。現在はここから少し戻して2.8%となっており、日本はアメリカと比べて雇用の振れ幅を低く抑えられています。例えば、JALやANAのキャビンアテンダントが接客のプロとして自治体に出向するなど、配置転換が盛んに行われています。これに加え、雇用調整助成金の活用などでできる限りリストラを抑える形で、この難局を乗り切ろうとしています」

(日本も経済が回り出した際には、雇用の回復で懸念すべき点について、どんなところが挙げられるか?)

馬渕氏「経済の再開で飲食や宿泊などのサービス業に客足が戻ってくるのに合わせて、求人を増やそうにも手元の運転資金の不足などが予想されます。政府としても、人手不足が経済回復の足を引っ張らないよう、労働市場の活性化に積極的に取り組む必要があります」

日本ではワクチン接種が加速して広がっている。

経済の回復に向けても、先を見据えて対策を講じていってほしい。