津市の名所・名物をカルタに!地元出身の写真家・浅田政志さんが撮影
お正月遊びの一つ「カルタ」。三重県津市では、名物や名所を地元の人とともに撮影した写真を使って、「ご当地カルタ」が発売された。
レスリングの五輪金メダリスト・吉田沙保里さんや鈴木英敬三重県知事も登場する、ユニークで笑顔が溢れる写真ばかり…
撮影したのは知る人ぞ知る巨匠、津市出身の浅田政志さんだ。
『た』=大集合 短い市名で 世界一
『つ』=“津観音” 豆まきしたら 鳩ポッポ
『る』=る―びーなう きょうも“大門”で乾杯
満面の笑顔で撮影する浅田政志さん(40)、津市出身の写真家だ。
浅田さんは写真界の芥川賞といわれる木村伊兵衛賞を受賞した、三重が誇る“巨匠”。この日は、名物『津ぎょうざ』の撮影。津の“ご当地カルタ”の1枚だ。
『つ』=『津ぎょうざ』の 具材も想いも オールフリー
ほかには、吉田沙保里さんに鈴木英敬知事。祭りに、うなぎ…
その名も『津カルタ』。
地元の名物や名所などがあわせて47枚。
写真には、津にゆかりのある人たちが写っている。
年を重ねて気づいた故郷の魅力…40歳で初めて地元を舞台に撮影
浅田さんの代表的な写真集『浅田家』では、浅田さんの両親や兄弟の“妄想”を作品に。写っているのは浅田さんのホンモノの家族で、消防士やカーレーサーを演じている。この写真集をもとにした浅田さんの家族の物語が、嵐の二宮和也さん主演、兄弟役に妻夫木聡さんで2020年に「浅田家!」として映画で公開されることも決まっている。
浅田さん:
自分が一番魅力を感じる写真は、身近な人たちと撮った写真なんですよね。家族だったりとか、友だちだったりとか、恋人でもいいんですけど、何かそういう自分の日常に、身近な本当にささやかな瞬間というか
高校卒業後 東京や大阪で活動してきた浅田さんは「津はダサい」と思っていた時期も。40歳になって、同級生の誘いで今回、初めて“故郷”を撮ることになった。
浅田さん:
家族も故郷もどっちかっていうと選べないじゃないですか。生まれた時からそばにあって当然のもので、そこに反発するときも当然のようにあって、でもやっぱり、年齢を重ねると他にはない魅力だったりとか、特別なものに気付いていく
浅田さんはCGを使ったり、写真を合成したりしない。こだわりは、一瞬の表情や現場の空気をそのままカメラに収めることだ。
三重交通での撮影では、バスに乗った3人きょうだいを被写体に。末っ子の3歳の女の子が恥ずかしがっていて硬い表情だったが…
浅田さん:
意外とこれ(笑っていない写真)が思い出になる時もあるんですよ。笑顔だったら全部いいってもんでもないんですよね、もちろん笑顔の方がいいですけど
浅田さんはプランを変更し、お父さんとお母さんにも協力してもらってバスを見送る家族の写真を撮ることにした。すると子どもたちの表情もにこやかに。
お母さんの手と、お父さんの手。家族が一つになった。
笑顔を写す浅田さん「写真で何気ない毎日を“思い出に”」
今度は、2017年に開業したスポーツ施設「サオリーナ」での撮影。吉田沙保里さんにちなんだ地元の新名所だ。
サオリーナでは、Newスポーツを楽しむ場面の撮影。集まったのは50代~60代の仲良しグループ6人。
ちなみに取材にあたった東海テレビの浦口史帆アナウンサーは津市の出身で、自称『日本一、三重を愛するアナウンサー』。競技のレフリー役として1枚に加わった。
浅田さんを中心に皆でポーズを考える。頭にボールを乗せたり、変顔をしたり、メガネをずらしたり…。いい写真を撮るために、自然と皆が一つになる。
浅田さん:
せ~の!(撮影)そうです。心が一つにならないとね!!
浅田さん:
『せ~の』って、心をひとつにして何回も合わせていくとタイミングあってくるんですよね。それで良い写真がとれたら達成感があるじゃないですか。カルタの撮影が記念日になってもらって思い出深いような、それを持って帰ってもらえるようなそれを一番大切だなと思っていることですね
写真を撮ると、何気ない毎日が記念日に変わる…
浅田政志さん、笑顔を写す巨匠だ。
(東海テレビ)