現役の警察官が強制わいせつ未遂事件で逮捕

5月21日、埼玉県警の監察官室から1人の警察官の懲戒処分が発表された。

監察官室とは警察官を捜査する部署であり、警察の不祥事などを調べることから「警察の中の警察」と呼ばれる。

懲戒免職となったのは羽生警察署の駐在所に勤務していた池田高秀巡査部長(34)。

送検される池田高秀巡査部長 埼玉・浦和西署 4月9日
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池田巡査部長は現役の警察官でありながら強制わいせつ未遂の疑いで逮捕され、その後、同罪でさいたま地検によって起訴された。

懲戒免職を受けた池田被告は、一体どのような犯罪を起こしたのか。池田被告を逮捕したのは殺人事件や強盗事件などの凶悪犯罪を捜査する捜査一課だった。

「埼玉県警全体の信頼を失墜させる犯罪行為」

埼玉県警の捜査一課は逮捕会見の中で、「今回の事件は埼玉県民にとって一番の悪行、日々現場で頑張っている埼玉県警全体の信頼を失墜させる許せない行為」と強い口調で非難した。

会見では女性のプライバシーに配慮する必要があるとし、犯行に関する詳細は語られなかったが、池田被告が過去の警察業務で取り扱った女性の個人情報を不正に利用し、その後、女性を呼び出し車内で女性の体を触ろうとしたことが明らかにされた。

池田高秀巡査部長(34)

地域に根ざした警察官

また会見では池田被告の勤務場所が警察署や交番ではなく、駐在所であることも発表された。

駐在所は、警察官がそこに居住し、地域の人たちと交流しながら、警察業務を行う。池田被告は地域に根ざした警察官であったと言える。

池田被告を知る近所の住民からは
「子供たちが朝通学する際には、道路の目立つところに立ち安全を確保してくれていた」
「子供が生まれた時に奥様と一緒に挨拶をしに来てくれたり、地元の集まりにも顔を出してくれたりした」など、住民からの評判も良い警察官だった。

しかし、逮捕を知った住民は、「地域を守る駐在所の警察官がなぜ住民を不安にさせるような犯罪をするのか…」と語った。

池田巡査部長が勤務していた埼玉県警・須影駐在所

「仕事をしづらくさせてしまって申し訳ない」

池田被告は逮捕当時の取り調べに対して、「間違っています。今は言いません。逮捕には応じます」と供述し容疑を否認していた。

しかし、その後の調べの中で「女性をわいせつ目的で呼び出した。被害者には怖い思いをさせて申し訳なかった」と一転して容疑を認め、自分が所属している埼玉県警に対しても「迷惑を掛けてしまい、仕事をしづらくさせてしまって申し訳ない」と反省の言葉を口にした。

送検される池田高秀巡査部長

埼玉県警「県民の信頼を大きく損ねる行為」と謝罪

地域に根付いて安全を守る駐在所勤務だった池田被告が起こした今回の事件は、警察への信頼を根幹から揺るがしかねない重大なものである。

捜査と処分を行った埼玉県警は
「捜査及び調査の結果を踏まえ、厳正に処分いたしました。県民の信頼を大きく損ねる行為であり、被害を受けた方並びに県民の皆様に深くお詫びいたします。職員に対する職務倫理教養を徹底し、信頼回復に努めてまいります」とコメントした。

警察官という立場は、仕事上、個人情報に触れる機会が多く、その情報はプライベートに深く関係するものもある。しかし、警察官がその情報を個人的な欲望のために悪用してしまったら、今後、市民は警察の業務に協力することができなくなるだろう。

地域住民と埼玉県警を裏切った池田被告が裁判でどのような言葉を口にするのか、今後行われる裁判の行方に注視したい。

執筆:フジテレビ報道局社会部 河村忠徳