商店街で熾烈なシェア争いを繰り広げ、乱立状態にある○○ペイ。そんなペイの勢力図を一変させるかもしれないビッグニュースが飛び込んできた。

ヤフーを運営するZホールディングスと無料通信アプリLINEが、経営統合に向けて最終調整の段階にあるというのだ。

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孫正義会長率いるソフトバンクグループ傘下のヤフーといえば、9月12日にもファッション通販サイト大手ZOZOの買収という衝撃の発表をし、前澤友作前社長の電撃退任とともに世間をあっと言わせたばかり。

そして今回は、最も身近なコミュニケーションツールとして8000万人ものユーザーを数えるLINEとの経営統合へというビッグニュースだ。

街では「LINEとヤフーが一1つにまとまっていたら使いやすい」などの声が聞かれたが、これが実現すれば、私たちの生活にどのような変化をもたらすことになるのだろうか。

LINE上でZOZO商品を購入できるように?

統合が実現した場合の未来像について、IT業界の動向に詳しいクロサカタツヤさんに聞いた。

株式会社企 クロサカタツヤ代表取締役:
ヤフーショッピングとLINEトークが一緒になることによって、楽しいネットショッピングが実現するのでは…

IT業界の動向に詳しいクロサカタツヤ氏
IT業界の動向に詳しいクロサカタツヤ氏

ヤフーショッピングやヤフオク、LOHACO、ASKULなどのネットショッピング事業を展開するヤフーには今後、ZOZOも加わる。そこにLINEが融合すると、例えば、友達とのやり取り中に話題になった洋服をそのままZOZOで購入できたり…

ZOZOのアプリとのトーク画面に欲しいアイテム・色・サイズなどを打ち込むだけで、洋服が選べるようになる可能性もある。

スマホ決済では圧倒的な一強状態に?

さらに、現在はヤフー陣営がPayPay、LINEはLINE Payとそれぞれ別々のスマホ決済を展開しているが…

株式会社企 クロサカタツヤ代表取締役:
無駄な競争はしないで2社で手を取り合い、1つの決済プラットフォームになると思う

もしも双方のペイが統合すれば、熾烈なペイ戦争において、5590万人(LINE Pay:3690万人、PayPay:1900万人)の圧倒的な登録者数を誇る一強状態となる。

これには、多くの○○ペイへの対応を迫られているお店側からも歓迎の声が聞かれた。

インドカレー「ナマステ」の店長:
一緒がいいと思うね。別々より一緒の方がいい。お客さんも迷って、どっちを使うかっていうのはありますね

一方で、街からは統合によるトラブルを不安視する声や、競争がなくなり「今後、大規模なポイント還元キャンペーンがなくなってしまうのでは」などの不安の声も上がっているが…

株式会社企 クロサカタツヤ代表取締役:
むしろ逆で、これまでの倍、キャンペーンを打つ。「本当はこっちの方がいいのに」というネガティブな意見が出やすいので、ユーザーに納得してもらおうと…

“国内敵なし”統合に期待感とリスク

加藤綾子キャスター:
柳澤さんは、このヤフーとLINEの経営統合をどうご覧になりますか?

ジャーナリスト柳澤秀夫氏:
利用者にしてみれば便利な部分があるのかもしれませんが、巨大な組織が1つ出来上がってしまうと、利用者側からすればいろいろな選択肢が欲しい中で、一極集中になるのは困るかなと。それから、リスクは分散したいですよね。例えば、個人情報が流れたら大変なことになってしまう。そういう不安はありますね

風間 晋フジテレビ解説委員:
このニュースを受けて、株式市場は大盛り上がりです。日経平均が下がる中で、ヤフーが今年の最高値。LINEはストップ高だったんです。国内敵なしの統合への期待感の表れだと思うのですが、これで海外にどうやって打って出るのかというところが、まだ見えてきていないのかなと思います

(「Live News it!」11月14日放送分より)