防犯カメラが捉えた男の「危険な運転」

2021年5月2日、福岡市で男子中学生が車にはねられ死亡した事故で、警察は過失致死の疑いで57歳の男を逮捕した。
この男は、事故直前にも危険な運転を繰り返していたことがわかった。

任意同行する男。「被害者に謝罪の言葉は?」「スピードを出しすぎていた認識は?」といった記者の問いかけに答えず、足早に捜査車両に乗り込んだ。

記者の問いかけに無言の男
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男は、過失運転致死の疑いで逮捕された福岡市早良区祖原の会社員・山田穣容疑者(57)だ。

過失運転致死の疑いで逮捕された山田穣容疑者

事故があったのは5月2日、日曜日の夜だった。
山田容疑者は、福岡市早良区城西の交差点で、安全確認を十分に行わず、自転車で道路を横断していた中学3年の少年を車ではね、死亡させた疑いが持たれている。

事故があった現場(福岡市早良区)

事故当時、落ち着いた様子で警察の調べに応じていた山田容疑者。

しかし、現場近くの防犯カメラは、山田容疑者の「危険な運転」を捉えていた。

道路を横断する2人組の自転車に対し、画面右側から山田容疑者の車がスピードを落とさず直進しているのが分かる。
捜査関係者によると、その速度は約100km/h。制限速度の2倍近いスピードを出していたという。

少年は、事故の衝撃で15メートル以上跳ね飛ばされ、病院に搬送されたが、帰らぬ人となってしまった。

軽トラックに猛スピードで…事故直前にも危険な運転

事故を起こした山田容疑者は、どんな人物なのか?
自宅周辺からは、こんな声が聞かれた。

周辺住民:
速度も出してるし、危ないなっていうのは常日頃から思ってはいました。(事故を起こしたと聞いて)やっぱりなと、起こすだろうなって思います

周辺住民:
いつか事故するだろうな、そんな運転でみんな迷惑してた

日頃から「迷惑運転」が目立っていたという山田容疑者。

取材を進めると、実は、今回の事故が起きる直前にも「危険な運転」を繰り返していたことが分かった。

山田穣容疑者

確認できたのは、事故現場の1km近く手前からの状況だ。
捜査関係者によると、山田容疑者の車は、前方を走る車に急な幅寄せなどをして、あおったあと、対向車線にはみ出して追い抜いたという。

対向車線にはみ出して追い抜く山田容疑者

山田容疑者の危険な運転は、まだ続いた。

事故現場から600メートル手前の防犯カメラ映像。
軽トラックに猛スピードで接近して急停止するのが、山田容疑者の車だ。軽トラックはたまらず、ハザードランプをたいて減速している。

軽トラックの運転手は、当時の状況について…

軽トラックの運転手:
後ろのベンツは、「早く行け、早く行け」みたいな感じですごい迫っていた。これをあおり運転と言っていいか分からないが、僕は嫌に感じた。危険だと感じた

当時の状況について語る軽トラックの運転手

軽トラックの運転手によると、山田容疑者の車は、100メートルほどあった車間距離を急加速して近づいてきたという。そして、あおるように追い抜いたという。

軽トラックに急加速して接近する山田容疑者

軽トラックの運転手:
僕を追い抜いたあとの左車線をものすごいスピードで、爆走ですよね

山田容疑者は、「蛇行運転」をしながら暴走。
そして、スピードを出したまま少年をはねた。

逮捕前の直撃に「逮捕の可能性ない」

一連の「危険な運転」について、どう思っているのか?
テレビ西日本は、逮捕前の山田容疑者を直撃した。

(逮捕前の直撃インタビュー)
記者:

すみません。こんにちは。テレビ西日本の桜井というものなんですけど

山田容疑者は、人目を気にしたのか、塀の裏に身を隠して取材に応じた。

記者:
あの事故は、どっちが悪かった?

山田穣容疑者:
暗闇で、あそこは上り坂ですよね。下っていて見えにくく、結局、発見が遅れて、坂道のブレーキの利きが悪かった。前輪がちょっと触れただけで、振り子のように当たって、それで頭を打った

記者:
スピードは何km/h出していた?

山田穣容疑者:
スピードメーターを見て走っているわけではないので、50~60km/hだと…

記者:
スピードを出していた感じではない?

山田穣容疑者:
(事故は)一瞬なので、同じ立場だったらどうしようもなかったと思いますよ

警察の捜査と食い違う主張をする山田容疑者。

果たして、本当に「どうしようもない事故」だったのか…

記者:
逮捕される可能性は?

山田穣容疑者:
今のところ、ないと思う

記者:
自信がある?

山田穣容疑者:
はい

山田容疑者は、警察の調べに対して「自転車については、記憶が曖昧で言いたくない」などと容疑を否認していて、警察は事故の経緯をさらにくわしく調べる方針だ。

(テレビ西日本)