交通事故が後を絶たない鳥取市の鳥取西道路は、5月12日で全線開通から丸2年となった。
ただ、7日には初めての死亡事故が起きるなど、事故は依然続いている。

そこで、この死亡事故を含め、あらためて鳥取西道路を「深層調査」した。

鳥取西道路で毎月10件前後の事故 初の死亡事故も

7日の鳥取西道路で起きた事故で、対向車線にはみ出した軽自動車が、前から来た大型トラックと正面衝突し、運転していた87歳の男性が死亡した。

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2年前の5月12日、全線開通してから初の死亡事故となった。

鳥取市内の青谷インターチェンジから鳥取インターチェンジまでの山陰道の一部が鳥取西道路。

グラフ(鳥取西道路で起きた事故件数)

この区間では、開通以来、事故が多発していて、その数は毎月10件前後に及ぶ。

TSKさんいん中央テレビは、3月末にもその要因を検証取材した。

日本海自動車学校・入江教官:
トンネル抜けると、すぐトンネルがやって来る。明順応・暗順応で、速度が一定に保てない状態がたくさんやって来る

鳥取西道路は、総延長19.3kmの4割近くがトンネルとなっている。
トンネルの出入口などでの無意識の速度変化、そしてトンネルを出た直後に受ける横風、事故を誘発させる因子として指摘された。

また、ニュースを見た視聴者からも、「あの区間は単調で眠くなる」、「自動車道に慣れていない地元住民が生活道路として使ってて、それが高速慣れしている長距離ドライバーと混在してるから危ないのでは」などといった、さまざまな意見が寄せられた。

構造の弱点…“ワイヤーロープ”を設置できない理由とは

赤木優志記者:
2年前の開通以来、事故が相次ぐ中、ついに犠牲者が出てしまいました。取材を続ける中、死亡事故の現場からも有効な安全対策を徹底しきれない鳥取西道路の構造の弱点が見えてきました

はみ出し防止対策「ワイヤーロープ」(提供: 国交省)

高速道路などで設置が進むワイヤーロープの映像。はみ出し防止対策として威力を発揮している。
しかし、鳥取西道路では、全区間の8割近くでワイヤーロープを技術的に設置できないという。

死亡事故の現場を見ても、道路中央に、はみ出しを防ぐ障害物はない。

鳥取河川国道事務所・三好建夫課長:
50メートル以上の橋梁やトンネルは、ワイヤーロープのくいを打つことができない。(西道路は)山あいにルートを持って来ているので、橋梁やトンネルが多くなっている

ただワイヤーロープは、対向車線にはみ出そうとする車を止めるもの。

今回の死亡事故では、そもそも何がはみ出しの原因なのか。

現場は“風の通り道”…「横風注意」の標識

さらに現場を取材すると...。

「横風注意」の標識が…

赤木優志記者:
見通しの良い緩やかなカーブですが、左手に黄色の標識があります。「横風注意」と書いてあります

風で服がなびく様

この時は強風は吹いていなかったが、事故当時の映像をあらためて見返すと、周辺の木や人の服が風で大きくなびいていた。
これらの映像を、交通事故の専門家に見てもらった。

日本交通心理学会・島崎敢さん:
山の陰から急に橋にかかるので、風は一気に強くなると思う。風の通り道になると思う

空から見ると、現場は山と山に挟まれ、ちょうど谷となっている場所。

日本交通心理学会・島崎敢さん:
例えば今、右から風が吹いていたとすると、このくらいのタイミングは山で守られている。ここを抜けた瞬間に強い横風を感じて、例えば左に行ったとすれば右にハンドルを切るが、切りすぎて反対車線に出ちゃったのはあるかなと思う

もちろんこれが事故の直接の原因だとは断定できないが、鳥取西道路は、全区間にわたって海に近いうえ、山やトンネルが連続しているため、急な横風を受けやすく、事故にもつながりやすいと分析する。

赤木優志記者:
取材を進めれば進めるほど、鳥取西道路のいわば構造的な危険因子が現れてくる思いです。開通から2年となった今、道路を管理する国交省には、あらためて安全対策の強化を求めるとともに、利用するわれわれも道路の特性をより把握して、安全運転を心がける必要がありそうです

(TSKさんいん中央テレビ)