元医学部生の男がカギに記された番号をもとに合鍵を作る手口で、女子大生の自宅へ侵入して逮捕・起訴された事件で、男が他にも160件以上不法侵入を繰り返していたことが分かった。

164件の犯行。元医学部生が合鍵で女性宅侵入

久留米大学医学部の学生だった37歳の男は、在学中の2021年1月、久留米市内の女子大生の自宅に侵入したとして、住居侵入の疑いで逮捕・起訴されている。

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警察によると、元医学部生の男は女子大生の自宅のカギに記された番号を暗記するなどして、インターネットで合鍵を注文していた。

その後の調べで、元医学部生が同じような手口で、一人暮らしの女性など20人以上の自宅に侵入し、下着を盗むなどの犯行を164件繰り返していたことが確認された。

元医学部生の男は「女性の家に入って、普段見られない世界を見たかった」と容疑を認めていて、2021年3月に保釈されている。

どんなカギでも製造番号知るだけで合鍵作れる?

皆さんの家のカギどんなものだろうか?

一般的なカギは2種類ある。1つは鍵の側面がギザギザに削られている「一般的なカギ」。そして、鍵の平面にいろんな大きさや深さの穴が空いた「ディンプルキー」と呼ばれるカギ。

昔から「ディンプルキー」の方が「一般的なカギ」に比べて、ピッキング被害に遭いづらい、簡単には合鍵を作りづらいといった、防犯性が高いなどの理由で、「ディンプルキー」に付けている住宅なども多いよう。

ただこれらのカギ2種類に関係なく、簡単に合鍵が作られてしまう可能性がある。

カギには、製造番号という数字やアルファベットが刻印されている。製造メーカーはこの番号を一括管理していて、全国どの地域でもその番号で注文すれば、同じ鍵が届くシステムになっている。

つまり、このカギの製造番号を他の人に知られてしまうと、その番号を伝えるだけで、同じカギが注文できてしまうという恐れがあるという。

こんな心配事もある。最近発売されて話題となった、カギやカバンなどの位置情報を教えてくれる「エアタグ」。

こうしたアイテムの他にも、おしゃれなキーホルダーを使ったりして、カギのついた写真をSNSに投稿する人が増えているそう。しかしこれだけで結局、鍵が複製されてしまうこともあるそう。気をつけてください。

ID番号を使った新たな防犯性の高いカギ

最近では防犯性能の高いカギも出てきた。

カギの“製造番号”とは別の“ID番号”というものがペアになっているもの。
例えば、そのID番号を大家さんなどが持っていて、2つの情報が同時にメーカーに届かないと合鍵が作れないシステムになっているというものもある。

これがあれば簡単には合鍵を作ることもできないわけだが、ただまだ広く普及はしていないという。

日本ロックセキュリティ協同組合は、鍵の製造番号はクレジットカードなどと同様に、カギをキーケースなどを使って、普段から人に見られたりSNSに上げたりしないように。れっきとした個人情報ということで、注意喚起をしている。

(「イット!」5月10日放送分より)