ブラザーは1908年、ミシンの修理業から始まった。そして、1932年に創業者の夢だった家庭用ミシンの量産を実現した以降、ミシン、プリンター、工作機械、通信カラオケシステムなど、絶えず新しい製品を世界中に提供してきた。

そんなブラザーがさらなる新規事業創出のため、ユニークな仕組みを立ち上げた。その名も「BAtON(バトン)」。今回はその誕生秘話や仕組みなどについて創設者メンバーを始めとするBAtONメンバー3人に聞いてみた。


川口絵美 「BAtON」創設メンバー







間瀬陽介 「1908LAB」創設メンバー







小坂来造 「BuddyBoard」プロジェクトリーダー








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ブラザーがiPadアプリを開発!?


Q.iPadアプリ「BuddyBoard」を開発したと聞きました。どういったものですか?

(小坂)BuddyBoardは、誰でも簡単に使える手書きノートアプリです。ノートの内容をwebブラウザで共有できたり、ホワイトボードのように共同で書き込みができたりと、紙のノートのような使用感でデジタルならではの便利な機能がたっぷりのiPadアプリです。


(BuddyBoard製品サイトhttps://web.global.brother/ea/buddyboard/index.html


Q.このアプリが誕生した経緯は?

(小坂)以前の業務で、簡単な構想図の作成や現場へ行ったときのメモ代わりなど、手書きを用いるシーンが非常に多かったため、こういったビジネスの現場で応用できないかと思ったことがきっかけでした。ブラザーには、新規事業創出のための独自の仕組み「BAtON」があり、それを活用してアイデアを応募し、自らプロジェクトリーダーとなって開発を行いました。





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新規事業創出のためのプロジェクト「BAtON」



Q.BAtONとは?


(川口)BAtONは、Business Acceleration and Open Networkの略で、ブラザー独自の新規事業創出をする手段の一つです。このプロジェクトでは、新たなビジネスアイデアを持つ人とそれを支援する仲間が事業や部門の垣根を越えて集い、自分たちが本当に心から欲しいと思えるもの、作りたいものを作る。そんな気持ちを応援しています。



Q.BAtONを立ち上げたきっかけを教えてください


(川口)新規事業推進部では、新規事業を立ち上げることを目標にしていましたが、事業アイデアの提案数が増えず頭を抱えていました。そんな中、「社員のアイデアを集めて引き込む仕組みを作れば、もっとアイデアの数が増えるのでは?」とひらめき、プロジェクトの立ち上げを提案しました。これがBAtONのはじまりです。




Q.アイデアはどんな人が応募できるんですか?


(川口)基本的には、社員ならだれでも応募できます。既存事業にこだわらず、自由な発想で応募が行われています。



Q.具体的にどのようなステップで新規事業が立ち上がるんですか?


(川口)まず、従業員からアイデアを募集します。その後、新規事業部の審査を通ったものが「クラウドオピニオン」という社内イントラに設けられた採択ツールに挙げられます。クラウドオピニオンで採択されると、応募者は新規事業部に異動し、新規事業プロジェクトをスタートします 。社内起業家のようなイメージですね。


            製品化までのプロセスイメージ



Q.クラウドオピニオンとは?


(川口)クラウドファンディングサイトで起案者が集める“お金” の代わりに、社員の“共感”を多く集めると、提案が新規事業プロジェクトとして認められるといったしくみです。

クラウドオピニオンのサイトイメージ



Q.新規プロジェクトとして認められた後はどのように進められるのですか?

(川口)採択されてもブラザー製品として世の中に送り出せると約束されているわけではありません。何度も検討を重ね、時には製品の形を大きく変更したりなどしながらプロジェクトは進められます。こうして開発されたものは、ブラザー製品として認められるかどうかが審議され、承認が受けられたものだけを世の中に送り出すことができるんです。

製品化までの道のりは決して簡単ではありませんが、実現に向けて努力をする従業員をたくさんの人が応援し、背中を押してくれるのもブラザーらしいところです。




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BAtONプロジェクトの一つ、新規事業創出のためのアイデアを引き出す場所「1908LAB」


1908LABのデザインイメージ


Q.1908LABとは?


(間瀬)1908LABは、BAtONプロジェクトをきっかけに創設された社員ならだれでも利用できる、モノづくり・交流スペースです。新規事業創出のアイデアを生むために設立されたこのラボは、全社員が利用可能で、自社製品に加え3Dプリンターや工具など自分で考えたことを形にできるようなツールが揃っています。


1908LABには自社製品を始め3Dプリンターなどさまざまな機器が並ぶ


Q.1908LABを開設した経緯は?


(間瀬)ブラザーは、世の中に存在しないなら、誰も作ろうとしないなら、私たちで作ってしまおうという起業家の精神からスタートしています。そんな創業者兄弟の精神に則って、「ないなら作ろう!」を叶えられる場所が欲しいと、このラボは誕生しました。既存の事業や所属にとらわれず、自分が創りたいものを作る、したいことをする、そんな事業部の垣根を越えて人とアイデアが交われる場所として使われています。



Q.「1908LAB」のネーミングの由来は?


(間瀬)1908は創業年を表しています。従業員が創業の精神を感じられるようにと付けられました。


Q.「1908LAB」の特徴は?


(間瀬)このラボには創業からのストーリーを感じられるポイントがいくつもあります。例えば天井の照明です。ジグザグに配置された蛍光灯は、ブラザーが創業から関わってきたミシンのステッチをイメージしています。また、ラボのロゴの模様は足踏みミシンの踏み板の模様がデザインされています。そこには、ミシンの修理業から製造業へ成長し、今へと続くブラザーの創業の精神に立ち返ろうというメッセージが込められると同時に、新規事業創出をするにあたって、大きな組織にいても自分の力で切り拓いていく=自分の力で踏んで進めといった意味も込められています。


1908LABの天井の照明


ミシンの踏み板(上)と1908LABロゴ(下)


Q.1908LABは主にどのように使われている?


(間瀬)他事業部の製品を見て勉強する他、新製品の試作をしたり、他事業部の製品と組み合わせて作品例を作って製品の可能性を拡げる提案につなげるなど、各事業部の手助けやヒントを与える場にもなっています。


Q.新規事業創出の仕組み「BAtON」の今後の展望を聞かせてください


(川口)BAtONの仕組みがなくても、各事業部でも新規事業が創出されていくことを目標にしています。BAtONプロジェクトの精神は、創業者兄弟の精神を受け継いでいます。それが各事業部で広がり、受け継がれていくことで、これからも時代の変化に対応しながら、絶えず発展を遂げられる企業であり続けたいと思っています。




世の中に存在しないなら、誰も作ろうとしないなら、私たちで作ってしまおうという、ブラザーの創業者が持つ起業家の精神は、ブラザーのDNAとして従業員たちに脈々と受け継がれ、世の中の変化に対応しながら今もなお絶えず発展を遂げている。




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