新型コロナウイルスに対応するため国が地方に配るお金「地方創生臨時交付金」。
その総額は4兆5,000億円。お金の使い方はそれぞれの自治体が決めることができ、感染対策費用や商店街のプレミアム商品券、それに2020年、県が実施した休業要請の協力金にもあてられた。
この臨時交付金、意外な使い方をしている自治体があった。
交付金で巨大なイカのモニュメント
石川県能登町の「道の駅」ならぬ「イカの駅」の横に設置された巨大なイカのモニュメント。
この記事の画像(12枚)幅9メートル、高さ4メートル、長さ13メートルの巨大スルメイカだ。
この巨大イカモニュメント、町の特産品であるスルメイカをPRしようと町が設置したもので、総工費は2,700万円。
能登町は、国からの新型コロナウイルスの交付金8億円のうち2,500万円をイカにつぎ込んだ。
モニュメントを見た人からはこんな声が…
見に来た人:
それで人が来るからいい
見に来た人:
コロナのためになんでイカを置くのか。ずっと続くならいいけど、一時的なものやったら国の財産がイカがなものかと思う
イカも扱う地元の鮮魚店の店主は…
地元の鮮魚店店主:
これはこれで1つのうりだから。せっかくできたイカの駅のうりだから…
コロナに直接関係なくても活用できる?
賛否両論の巨大イカ。
町の担当者に交付金利用の目的を聞いた。
能登町の担当者:
国から地域の魅力上げ事業として交付金を設定する方針があったので、インパクトのあるものを作って産業振興の起爆剤にできないかと思った
実はこの交付金、コロナに直接関係していなくても将来的な経済対策につながることになら活用できる。
町の観光の目玉として設置された巨大イカ。そもそも能登町小木は、古くからスルメイカ漁の産地として知られている。
しかし、最近は外国船籍の影響などで水揚げ量は減少し、コロナ禍で観光客も激減。
能登町の担当者:
能登町はイカで産業を培ってきた。イカの町の能登町を知ってもらいたい
ーーイカしてますか?
能登町の担当者:
私はイカしていると思っています
巨大イカへの投資が交付金の使い方として正しいのか、足を運んで確かめてみてはイカがだろうか。
経費削減のため町が芝刈り機購入し貸し出し
続いて取材班が向かったのは、交付金の額が約8億円の志賀町。
志賀町の担当者:
志賀町で導入した芝刈り機です
最新の芝刈り機3台で総額は約120万円。
志賀町の担当者:
臨時交付金の使い道ということで、将来的に必要なものであれば(交付金を)使ってもいいという国の指針で導入した
町は、この芝刈り機を町民に貸し出す予定。
志賀町の担当者:
芝の管理が必要な施設が(町内に)11カ所、年間約340万円の維持費がかかっている。グラウンドゴルフをする人など「必要な芝は自分で管理したい」という要望があった。それで、少しでも経費の削減につなげられればと思い購入した
では、芝生の広場を利用する町民はどう思っているのか。
町民:
われわれで(芝が)伸びたら刈れば経費が安くなるのでは
町民:
グラウンドゴルフをする身からすれば(芝刈り機購入は)うれしい。だけど町民を思うとやっぱり…コロナの大変な時期だから
コロナで大変なのは、どの自治体も同じ。
町民・市民のためになる使い方ができたかどうか、自治体の力が問われている。
(石川テレビ)