W杯日本代表・田村優が母校に凱旋 500人の学生で超満員

田村優選手とラグビー部の後輩で芸人・笠原ゴーフォワードさん(11月20日)

ラグビーワールドカップ日本代表の司令塔・田村優選手(30)が20日、母校の明治大学(駿河台キャンパス)でトークイベントに出席した。明大ラグビー部で1学年下だった芸人・笠原ゴーフォワードさん(30)と共にW杯での心境や部活動の思い出話で会場を沸かせた。会場は約500人の学生たちで超満員。W杯後も続くラグビー人気の高さを物語った。

愛知県出身で國學院栃木高校から2007年に明治大学に入学し、1年時から活躍した田村選手。
W杯ではスタンドオフSOとして全試合にスタメン出場。少年時代のサッカー経験で学んだ正確なキックで多くの得点を挙げ、日本のベスト8進出に大きく貢献した。

ロシア戦でPGを決める田村 右はリーチマイケル主将(時事) 

「日本の国民性を考えればドカンと盛り上がるチャンスだし、ミスをすればラグビーが注目されることは一生ない」と、開幕戦のロシア戦で、日の丸の重圧とかつてない緊張を感じたという。

また、今大会で代表引退を示唆している田村選手は、次回2023年W杯フランス大会については「ノーコメント」としつつも、「自分の中で一区切りはついた。自分が入った時(2012年)よりも今の日本代表を良い状態で終わらせられ、任務は完了したと思う」と達成感をにじませた。

さらに、現在関東大学ラグビー対抗戦5戦全勝で、11月24日に帝京大戦、12月1日には早稲田大戦を控える後輩のラグビー部には「がんがん攻めて、いいラグビーをして欲しい。注目選手は同じ國學院栃木高校出身の主将の武井日向(4年生・HO)です。早明戦は観戦に行きます」と熱いエールを送った。

W杯の余波 大学ラグビーのチケット争奪戦

トークイベントの会場付近では、佳境に入っている関東大学ラグビー対抗戦のチケット販売も併せて行われた。

早明戦は完売。帝京大戦のチケット販売が行われた(11月20日)

販売スタッフでラグビー部マネージャーの直江彩佳さんによると、10月5日に販売が開始され、いつもならまだ手に入るはずの早明戦のチケットは既に完売だという。この日は、24日に迫った帝京大学戦のチケットを求める客で長蛇の列ができた。「売上好調でした。学内でのチケット販売では、今年は特に早明戦(明治では明早戦と呼ぶ)への注目が高く例年より早い段階で完売となりました。オールドファンの方はもちろんですが、W杯をきっかけにラグビーに興味を持ってくれた方にも明治のラグビーを見に来て欲しいです」と手応えを感じているようだった。

キャンパスに貼られた学生の手作りの星取表 明治・早稲田が5戦5勝(11月20日現在)

あるチケット売買仲介サイトでは、早明戦の一般自由席は1枚13,000円(定価1,800円)、B指定席は18,000円(定価2,500円)などといった高い値段で出品されているのが散見される。
その値段の高騰にはいささか閉口するが 、大学ラグビーにもW杯効果がもたらされる形となった。

大詰めの対抗戦に向け後輩ラグビー部員は…

昨季、大学ラグビーの日本一を決める大学選手権で22シーズンぶり13回目の優勝を果たすなど、長きにわたり大学ラグビー界をけん引してきた名門・明治大学ラグビー部。

大学選手権決勝で天理大学を下し22年ぶりの優勝を決めた明治(時事)

いよいよ大詰めの関東大学ラグビー対抗戦。秩父宮で早慶戦が行われた23日、今季一番の寒さと雨で冷え込む中、明治大学ラグビー部は世田谷区の八幡山グラウンドで翌24日の帝京大学戦に向け、サインプレーの確認など調整練習を黙々と行っていた。

寒空の中の熱い練習(八幡山グラウンド・11月23日) 

昨季の大学選手権では準決勝で早稲田大学を下し、その勢いのまま決勝で天理大学を破り22年ぶりの優勝を果たしたものの、12月の早明戦では惜敗を喫し、対抗戦の最終順位は5勝2敗で3位。対抗戦でのリベンジ、そして連覇の懸かる大学選手権へ向け練習に熱気が入る。

田村選手が注目選手として挙げた4年生で主将の武井日向選手(HO)は「帝京戦、早稲田戦では明治の強みであるフィジカルを発揮し、相手を圧倒したい。慶應戦での課題を修正して、毎試合チームとして成長したい」と意気込む。“重戦車フォワード”の中で、身長170cm、体重98kgの武井選手は特別大きくはないが、豊富な運動量と突破力がある。また、フッカーHOとしてセットプレーのキーマンの役割も果たす。フッカーはスクラムの中心で全体をコントロールしたり、ラインアウトのスローワーとして味方にボールを投げ入れたり、判断力と臨機応変なプレーが求められる。「常に試合を想定して、ハイプレッシャーの中で、正しい判断とスキルが発揮できるよう準備している。早明戦には田村先輩も観戦に来るので勝利して『いいラグビーをした』と言ってもらえるよう頑張りたい 」

主将の武井日向(4年・HO) 提供:明治大学ラグビー部

また、「高校、大学と同じ田村先輩のW杯での活躍は、とても刺激になった。自分も同じ舞台に立ちたいと思った。日本代表の活躍でラグビー界が盛り上がり、大学ラグビーからラグビーを盛り上げられるように、皆に感動を与えられるような試合をし続けたい」と誓った武井選手。W杯ラグビーへの注目が高まり、その余波は大学ラグビーへ。かつてないラグビー人気の中、そしてハイプレッシャーの中、明治大学ラグビー部は対抗戦優勝、そして大学選手権連覇の栄誉に挑む。

(フジテレビ・加藤忍)