動物の世界は驚くことばかり。一度は雄と診断されたが、実は雌だった…という報告が動物園からあり、いま注目を集めている。

私(フクロウ)事ではありますが、今朝卵を産みました。
以前、「検査の結果、アイはオスでした」とご報告させていただきましたが、申し訳ありません、メスです。
これからは「アイちゃん」として、引き続き応援よろしくお願いいたします。

4月4日、Twitterでこのように報告したのは、山口県・周南市徳山動物園の公式アカウント(@TOKUYAMA_ZOO)。飼育しているメンフクロウの「アイ」(4歳)が雄ではなく、実は雌だったというのだ。

普段は動物園の正門前でお出迎えしてくれるとのこと
普段は動物園の正門前でお出迎えしてくれるとのこと
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投稿には「アイ」改め「アイちゃん」が、産んだ卵を不思議そうにのぞき込む様子の写真も添付されている。「#飼育員どよめく」のハッシュタグもついていて、現場は相当の驚きだったようだ。

産んだ卵をのぞき込むアイちゃん
産んだ卵をのぞき込むアイちゃん

Twitterユーザーからも「えっ...!これはエイプリルフールのネタですよね...!?(笑)」「本人(本鳥)もびっくりしてるように見える」などと、驚きの反応が続々と寄せられた。

この投稿は、いいねが3万4000以上(4月9日現在)にのぼるなど関心を集めたが、フクロウの性別を判定するのはそんなに難しいのだろうか。

アイちゃんの飼育担当者になぜこんなことが起きたのか聞いてみた。

産卵が雌の「ゆるぎない証拠」

ーーアイちゃんの成育状況は?なぜ雄だと思った?

体長33~4センチ、体重約350グラムで、2016年10月から飼育しています。性別は研究機関で血液検査を行い、2020年11月ごろに「雄の可能性が高い」との結果をいただいておりました。ただ、信頼性は100%ではないとも聞いていました。

体重測定の様子。こころなしかシュッとしている
体重測定の様子。こころなしかシュッとしている

ーー今回、雌だと判明した経緯を教えて。

アイは夕方から翌日にかけては、室内のケージ(寝室)で生活しているのですが、4月4日朝に様子を見に行ったところ、卵を産んでいて…。産卵できるのは雌だけなので「ゆるぎない証拠」となりました

最初見たときはお腹の下で温めているような姿でした。メンフクロウの場合、雌だと早ければ2~3歳から産卵することもあるそうです。


ーーTwitterの投稿画像はどんな状況なの?

お客さまにも雄と伝えていたので、訂正としてご報告させていただきました。画像は記念として撮影したものですが、恐らくアイも卵を見たのは初で、産んだことを分かっていないかもしれません。「見慣れないものがある」という感覚だと思います。
 

メンフクロウは外見から性別が分からない

ーーメンフクロウの雄雌は見た目では、分からないの?

メンフクロウは性別が外見的な特徴に表れにくく、生殖器も体内にあるのでほぼわかりません。
雌の方が体や足がやや大きい傾向にはあるのですが、個体差もあるので断定はできません。そこで検査をした形でした。

当園で飼育しているメンフクロウは、アイ一羽のみなので、もしかすると鳴き方などに違いはあるのかもしれませんが、私たちではわかりませんでした。

外見では性別がほぼ分からないという
外見では性別がほぼ分からないという

ーー雌と判明したときの職員の反応は?

最初に卵を見つけたときは私一人でしたが、もちろん驚きました。別の職員に「アイちゃん、雌だった」と伝えたところ、びっくりして言葉を失う人もいました。


ーー飼育環境や生活面を変えることはある?

基本的に変わりませんが、産卵は身体的負担にもなるので、体調管理はしっかりしたいですね。餌にカルシウムを増やしたり、卵がお腹で詰まらないように注意して見守りたいと思います。

桜とアイちゃん
桜とアイちゃん

卵は殻を標本とする予定

ーー産卵した大きさは?今後はどうするの?

卵の大きさは約4センチで重さは20グラムでした。当然ですが無精卵であり、アイも執着はしていなかったので回収しました。記念として、中身を抜いて殻部分を標本とする予定です。


ーーネットで注目を集めたことの受け止めは?

多くの反応をいただけるとは思っていませんでした。メンフクロウの性別は外見ではわかりづらいことなど、踏み込んだところまで興味を持ってもらえたのは、うれしく思います。

徳山動物園では他にもさまざまな動物が出迎えてくれる
徳山動物園では他にもさまざまな動物が出迎えてくれる

なお担当者によると、メンフクロウは雌だからといって必ず卵を産むというわけでもなく、10年以上産卵しないこともあるという。動物の生態の奥深さを、改めて感じる出来事となったことだろう。

(画像提供:周南市徳山動物園)

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プライムオンライン編集部
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