アメリカでは、新型コロナウイルス感染の主流がイギリス由来の変異ウイルスになっているとして、警戒を強めている。

米CDC(疾病対策センター) ワレンスキ所長「イギリス由来の変異ウイルスが現在、アメリカで最も主流な系統です」

アメリカのCDCのワレンスキ所長は7日、イギリスで見つかった変異ウイルスの拡大を防ぐため、アメリカ国民に対し、できるだけ早くワクチンを接種するよう呼びかけた。

また、スポーツイベントなどで若者の集団感染が報告されているほか、30代、40代で重症化して入院するケースが増えているとして、警戒を強めている。

このニュースについて、アメリカの大学病院で新型コロナウイルスと向き合っている内科医の山田悠史先生に話を聞いた。

三田友梨佳キャスター「東京でも急拡大しているイギリス型の変異ウイルスについて、山田先生、最新の研究ではどんなことがわかっているのでしょうか」

山田悠史先生「イギリスで見つかった変異ウイルスについては、これまで国外からの報告で25~40%程度、感染伝播の力が強いと報告されています。また、日本の国立感染症研究所からも、同様に国内でも30%ほど感染伝播がしやすくなっているとするデータが得られたと、つい先日報告されました。またこの感染伝播のしやすさに加えて、イギリスではこの変異ウイルスの流行後に入院するケースや、致死率も増加しているのではないかという可能性が指摘されていましたが、その後10万人を超えるデータを解析した結果、従来のウイルスと比べて60歳未満の方たちで致死率が60%程度上昇する可能性というのも示唆されています。実際にこの変異ウイルスが流行している地域では感染拡大が急速に進行している国や地域があり、若い層の重症患者が増えている地域も見られていて、世界的な懸念が広がっています」

三田友梨佳キャスター「感染力が高いことに加えて重症化率も高いとなると本当に心配ですね」

山田悠史先生「そうですね、若い人の重症化率というのは、そもそもの値が低いので、増加といっても絶対数としてはとても大きな増加にはならないと予想はできるのですが、1人でも多くの命を守るという意味では、従来の対策に加えて追加の対策が必要なことを示唆していると思います。ただ、よいニュースもあり、この変異ウイルスに対しては、既存のワクチンの有効性がほとんど影響を受けないということが相次いで報告されています。ですので、変異ウイルス対策という意味でも、現在流通しているワクチンをいち早く広げて、より多くの人に免疫をつくっていくことが最も有効な対策だというふうに考えられます」

三田友梨佳キャスター「アメリカでは、ワクチンの普及に加えて、さまざまな取り組みが行われているようですね」

山田悠史先生「そうですね。こちらアメリカでは、変異ウイルスの感染流行後に若い人たちの中でスポーツイベントでのクラスターが相次いで報告されました。より安全なスポーツ観戦環境を整備するために、例えば、ニューヨークでは、入場に際してワクチン接種証明書や検査の陰性証明書の提出を求めるという取り組みが行われています。ワクチンがこれだけ有効性が高いことが証明されてきたので、今後の変異ウイルスの対策という意味でも重要な意味をもつかもしれません」

三田友梨佳キャスター「やはりワクチンが鍵になるということでしたが、日本ではワクチンが広く普及されることがまだ先になると予想される中、感染力が高いということは、やはり医療体制の逼迫(ひっぱく)が危惧されます。国民への呼びかけや、飲食店などへの施策以外にも医療体制の拡充、病床の確保を徹底していってほしいと思います」