「あの会社はブラック」 娘が語っていた実情

3年前、自宅で自ら命を絶った、津島美希さん(当時30)。

4月26日、美希さんの母親が「娘が自殺したのは上司などによるパワハラが原因」として、大阪地裁に提訴した。

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母親の津島朋子さんによると、美希さんは大阪府吹田市の調剤薬局で事務として働いていた当時、長時間労働を強いられたり、ミスについて上司から叱責されるなどのパワーハラスメントを受けていたという。

さらに、職場で「ダイエット委員会」というグループに入れられ、待合室に自身の体重を貼り出されたり、社員旅行の幹事を実質1人で任せられ、帰宅時間が深夜0時を過ぎることもあったというのだ。

津島朋子さん:
娘のことを「無かったことにしたい」「知っている人をいないようにしたい」というのがあるのかな、と遺族のほうは思っています。

笑顔も奪われて、心も奪われて、最後は命まで奪われてしまった。

(勤めて)1ヵ月もしないうちから「ママ、あそこの会社はブラックやで」と言った。
怖い人がいるから、みんなその人には逆らえないし」と言っていた。

「うつ病」で休業加療が必要との診断にもかかわらず…

美希さんは極度のストレスから、入社後1年足らずでうつ病を発症。

しかし、遺族側によると、会社は美希さんの病気の相談をまともに取り合わず、休業加療が必要との診断書が出てもなお、休職の指示をしなかったという。

美希さんがたった一人の家族である母を残して自ら命を絶ったのは、休職について会社側と話し合う予定となっていた日の朝だった。

津島朋子さん:
社長たちの前で、どうするか(休職について)言うというのは、どれだけプレッシャーだったのだろうと思って…
そういう風な(上司との協議の)場に立たされる自分より、死を選んだ方が楽になると思ったんじゃないかなと…

美希さんの自殺後、朋子さんが労災申請をしたところ、労働基準監督署は攻撃的な上司の言動に美希さんは憔悴していたと認定。しかし「心理的な負担は強くなかった」として、美希さんの自殺を労災とは認めなかったのだ。

「パワハラ起きやすい構造」の中小企業

厚労省の調査によると、従業員99人以下の中小企業では「従業員向けのパワハラ相談窓口を社内に設置していない」とする企業が54.2%。

遺族側の代理人は、中小企業における「パワハラが発生しやすい構造」を指摘し、「社長に権限が集中しやすく、風通しが悪い」ことを挙げている。

遺族は、休業加療が必要との診断書が出た上でも、休職指示をしなかった会社側は安全の配慮を怠ったとして、会社側におよそ8800万円の損害賠償を請求。

一方、会社側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

(「Live News it!」4月26日放送分より)