島根県では、新型コロナが初めて確認されてからまもなく1年が経ちます。そうした中、こちらの地図では全国で唯一、島根県だけが死者ゼロであることを示しています。その背景を探るといくつかの要因が見えてきました。

ー2020年4月9日ー

島根県・丸山知事:

「本日県内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染が確認されました」

去年4月9日、島根県で初めて感染が確認された新型コロナウイルス。あれからまもなく1年、県内の感染者はこれまでに289人。月別で見ると、去年12月と1月は60人台を記録しましたが、先月は4人。今月は1人、全国的なリバウンド傾向と比べると抑えられているとも言えます。そして新型コロナによる死者が全国で9288人にのぼる中、島根県は唯一「ゼロ」です。なぜなのか?街の人の考えは・・・?

「人が少ないのもあるだろうし、お年寄りに移したらいけないという思いがみんなあるんじゃないですかね」

「感染者自体がそんなに出てないというとはあると思う」

「真面目なんだと思います。みんなきちんと守るというか」

様々な要因が考えられる中、1年間コロナ対応の最前線に立ち続ける県の感染症対策室に取材すると、2つの要因が見えてきました。その1は・・・。

島根県感染症対策室・田原 研司室長:

「特に高齢者福祉施設、障害者福祉施設でクラスターは発生しませんでした。その施設での患者の発生もなかった。保健所が高齢者施設を一軒一軒まわって感染対策を啓発したという対応もした」

高齢者施設で感染が確認されていないことです。高齢者施設のクラスターは全国で1000件以上発生し、重症化リスクの高い高齢者が死亡するケースが相次いでいます。しかし県内の高齢者施設では、感染者もなければクラスターの発生もありません。県内のクラスターは松江市の立正大淞南高校サッカー部をはじめ6件、いずれも高齢者が多い場所ではなく、死者発生のリスクが低かったと言えます。

さらに2つ目は・・・。

島根県感染症対策室・田原 研司室長:

「症状がなくても軽くても原則入院、症状がなくても入院。濃厚接触者ではなくて2週間前にさかのぼって接触した方を積極的に検査した」

原則入院と積極的な疫学調査です。自宅療養中の陽性者が急変し死亡するケースもある中、島根県は立正大湘南高校のクラスターが発生した時期を除き、患者は無症状でも入院してもらうことで、重症化のリスクを防いできました。さらに検査でも濃厚接触者以外の調査を行うことで、検査数に対する陽性者の割合は1.6%、この数値は低いほど幅広く検査を行っていることになります。全国でも4番目の水準です。基本に忠実な感染対策が身を結んだといえます。一方で・・・。

島根県感染症対策室・田原 研司室長:

「あすにでも患者さんがぐっと増える可能性はある。県としても第3波以上が来ても対応できるように医療体制の強化をかけている。県民のみなさんで一致団結してコロナ対応する意識を持ってもらいたい」

結果的にもたらされたコロナの「死者ゼロ」。県内初の感染確認から約1年、迫る第4波に1人1人の感染予防の意識が求められています。