『失言』や『誤解』を防ぐには」と題された文書。
これまで、たびたび“失言問題”に揺れてきた自民党が作った、いわば“失言防止マニュアル”だ。
5月、所属議員らに配られた。 

自民党の“失言防止マニュアル”には・・・

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マニュアルには、過去の失言を念頭に、注意事項が具体的に記されている。

発言は『切り取られる』ことを意識する

タイトルに使われやすい『強めのワード』に注意

「セクハラ罪っていう罪はない」麻生財務相発言に批判

例えば2018年、事務次官による“セクハラ疑惑”で財務省が大揺れとなった際の麻生財務大臣の発言。

 「セクハラ罪っていう罪はないですよね

開き直りともとれるこの発言が一斉に報じられ、批判が殺到した。

身内や酒席で盛り上がるような話は要注意

さらにマニュアルには、4月に辞任した2人に通じる指摘もある。

身内の会合や酒席で盛り上がるような『トークテーマ』には要注意

桜田義孝議員は、自民党議員のパーティで、震災の被災者の気持ちを逆なでする“失言”をして、五輪相を辞任。

また、塚田一郎議員は、麻生財務相の地元・福岡県で開かれた身内の会合で、道路建設を巡る“忖度”発言をして、国交副大臣を辞任した。

選挙惨敗の“悪夢”を再現したくない“苦肉の策”?

自民党がこの失言防止の“虎の巻”を作成した背景には、夏に控える参院選がある。
 
第一次安倍政権では、2007年の参院選を前に閣僚の失言などが相次いで“辞任ドミノ”が起き、選挙に惨敗した。

あれから12年…

14日に行われた麻生派のパーティで、安倍首相は「そして、とうとう我々は政権を失い、悪夢のような民主党政権が誕生した」と語った。

“悪夢の再現”を阻止したい自民党の“苦肉の策”が、“失言防止マニュアル”だったのだ。

自民党内からも「レベル低いよね」の声も・・・

自民党内では「よく見ると、とても勉強になる」と評価する意見がある一方、閣僚経験者の一人は「レベル低いよね。政治家の発言は統制するものではないよ」と語った。

街の人に今回の“失言防止マニュアル”について聞いてみると…

「リスクを避けるためには、作らざるを得ないと思う」
「議員の質の低下を感じる」
「わざわざマニュアルにしないといけないということ自体が、中学生くらいのレベルですよね」
などといった声が聞かれた。

(「Live News it!」5月15日放送より)