アメリカのトランプ政権は20日、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に指定した。
北朝鮮メディアは同じく20日「共和国の最高の尊厳を中傷、冒とくしたトランプを糾弾」という記事(下写真)を掲載している。

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「トランプはむやみに言い捨てる妄言によって自分はもちろん、米国も二度と逆戻りさせることのできない地獄行きの列車に乗せている」「彼は我が軍隊と人民から死刑宣告を受けた特大型の犯罪者」「最も悲惨な代価を払うことになる」と厳しい言葉を並べた。この「最も悲惨な代価」とは核の使用を意味するのだろう。

トランプ大統領はまったく動じず、中国が特使として北朝鮮に送った共産党中央対外連絡部の宗濤(そう・とう)部長が20日北朝鮮を離れるのを待っていたかのようにテロ支援国家指定を発表している。中国の顔をたてて特使が北朝鮮にいる間はテロ支援国家再指定を待ったともとれる。

宗部長が金正恩委員長と核やミサイルの問題で直接会談したかについては21日の時点ではわからないが、北朝鮮のテレビや新聞は金正恩委員長が会談したとの報道をしておらず、委員長が平壌の中心部から離れたトラック工場を満面の笑みをうかべ視察した様子を報じている(タイトル写真)。これは金正恩委員長が中国の特使が来ている平壌からあえて離れていたということなのかもしれない。

安倍首相はアメリカによるテロ支援国家再指定を受け「北朝鮮に対する圧力を強化するものとして歓迎し、そして支持する」、小野寺防衛相は「北朝鮮が強い反発をすることは想定されるので新たな挑発行動に出ることは否定できない」とそれぞれ述べている。

それを受けFNNはニューヨークにある北朝鮮国連代表部のジョ・ジョンチョル報道官(写真下)に「テロ支援国家指定について受け止めは?」との質問をぶつけたが、「再指定されたニュースは知っている」と答えた上で、その対応については「そのうちわかるだろう」と述べるにとどまったとのことだ。

テロ支援国家再指定で何が起きるのか?

韓国の聯合ニュースは20日、韓国の情報機関である国家情報院が国会に「ミサイル研究施設で車輛の動きが活発な中、エンジン実験も実施したと見られる」「年内に米国に対する威嚇を強めるためミサイル性能の改良と、平和的な宇宙開発が目的だと主張して弾道ミサイル発射を行う可能性を注視している」と説明したと報じた。

この「平和的な宇宙開発」とはどういう意味だろうか?

断言はできないが、北朝鮮は昨年まで弾道ミサイルの技術を使ったテポドン・シリーズで、人工衛星を軌道投入しようとしていた。再び「人工衛星打ち上げ」と称して弾道ミサイル技術の進展を図るという可能性としては2016年2月以来のテポドンの発射再開か、いままで発射していないKN-08=火星13型を改造し衛星を載せてしまうかもしれない。勿論、火星12型や火星14型の発射も考えられる。

また、プンゲリの核実験場については「実験場の3番坑道はいつでも核実験可能な状態で、4番坑道は最近建設工事を再開し、2番坑道は「放置されたまま」と報告したとのこと。

つまり、韓国情報機関はミサイル発射も核実験もありうると見ているということだ。

(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)