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トランプ大統領は6日、日米首脳会談後の共同会見で「日本がアメリカ製の装備を追加購入したら、北のミサイルを簡単に迎撃できる」と発言した。

ロイター通信によると来日中の同じく6日、トランプ大統領は議会あての書簡で追加予算についてふれ、「北朝鮮が米国や各地に配備された米軍、同盟国、パートナーに対し弾道ミサイルを使用した場合に、それを探知、破壊し、防衛するための一段の後押しするものだ」として40億ドル(約4,500億円)の追加を求めたとのこと。
当初2018年度のミサイル防衛費として99億ドルを要求していたので、トータルで140億ドル(約1兆6,000億円)近くになりそうだ。

アメリカ議会は現在、2018年度の国防予算の大枠を決める国防権限法(NDAA)の最終法案をまとめる作業を行っているので、2018会計年度に弾道ミサイル連射に対応する新しい衛星センサー計画「SKA」が予算上は確実になるかもしれない。

SKAは衛星に取り付けたセンサー(写真上)網により、連射された弾道ミサイルのどれを迎撃し、どれを撃ち漏らしたかを瞬時に識別する仕組みで、とりわけ日本のミサイル防衛にとって極めて重要と言える。

ここで北朝鮮の弾道ミサイル連続発射による飽和攻撃の可能性についての数字を見てみたい。
もともと日本を射程とする弾道ミサイルとしてはスカッドER(射程1,000㎞)、ノドン(射程1,300㎞)、ムスダン(射程2,500㎞~4,000㎞)が「既に配備済み」とされている。
北朝鮮が保有するミサイルで通常の軌道で日本に届くものが(スカッドER、ノドン、北極星2型)、高く打ち上げ手前に落とすロフテッド軌道で日本攻撃に使用しうるものが(ムスダン、火星12型)だ。

それらが連続して日本に発射されるとすると、その数はどの程度なのだろうか?
弾道ミサイル発射には発射機が必要となる。
米国防総省が作成した北朝鮮軍事力に関する報告書「Military and Security Developments Involving the Democratic People's Republic of Korea 2015」によると、ノドンの移動式発射機が50輌未満、中距離弾道ミサイルの発射機が50輌未満となっている。
ムスダンの移動式発射機(TEL)はINF条約により破棄された旧ソ連のSS-20ミサイルの移動式発射機を民間用に改修、それを再改修したものとされる。
そしてムスダンの発射機にさらに手を加えたものが火星12型の移動式発射機だ。従ってムスダンと火星12型の移動式発射機の合計が50輌未満。
移動式発射機一輌につき装填される弾道ミサイルは一発なので、ノドン、ムスダン、火星12型は100発未満が連続発射可能ということとなり、さらにスカッドERや北極星2型が加わる。

昨年そして今年とスカッドERの連射があったことを思えば、この衛星センサー計画SKAは日本にとっても、極めて重要と考えられる。

(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)