アメリカ政府から独立した立場で政府提言などを行うアメリカ議会の調査局が、北朝鮮に対する軍事行動も含めた7つのオプションの報告書を作成していることがわかった。
これは先月27日付けで作成された「The North Korean Nuclear Challenge : Military Options and Issues for Congrss」という67ページにわたる報告書だ。
トランプ政権は「すべてのオプションはテーブルの上にある」としているが、軍事オプションについては具体的にどんなことが検討されているのかは明らかにしていない。
そこで議会調査局が想定しうる7つのオプションを提示した形。
7つのオプションは以下のとおり・・・
①現状の軍事的情勢維持 ②封じ込めと抑止力の強化 ③北朝鮮が米国を脅かす可能性のある運搬システムを取得するのを拒否 ④ICBMの設置と打ち上げの排除 ⑤北朝鮮の核施設を排除 ⑥北朝鮮の政権交代 ⑦米軍の撤退

注目されるのは④の「ICBMの施設と発射施設の破壊」。
報告では北朝鮮の弾道ミサイル開発・生産施設は中国との国境に近い北朝鮮東北部にある。アメリカ軍は航空攻撃および巡航ミサイル攻撃のほかに、米韓特殊部隊による破壊も考えうるがリスクも高いとのこと。
そのリスクに対し利点として金正恩政権が交渉に戻る可能性があるとしている。

⑤の核兵器や兵器の施設が破壊された場合には広範囲の放射能汚染が起きる可能性。
北朝鮮の核兵器やミサイル弾頭の数、種類、場所についての情報は乏しいが、これらの施設の多くは堅固な施設で地下に存在するとも考えられる。従ってこれらの施設を見つけて破壊するために必要な労力膨大で、相当数のアメリカ兵が危険にさらされ、重大な被害が発生しかねない。

今回の報告ではリスクの分析、シミュレーションもしている。(下図)

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北朝鮮は毎分1万発の砲撃ができるので、たとえ通常兵器であっても戦闘の最初の数日で3万人から30万人が死亡。日本に対する弾道ミサイルの攻撃もありうる。北朝鮮は米韓軍の行動を抑止するために日韓の米軍基地を核兵器で攻撃する可能性もある…としている。

最後のオプション⑦「米軍の撤退」については 、交渉のきっかけという考え方に基づくようだ。
あくまで今回の議会報告によればだが、この場合日本と韓国が「アメリカは頼りにならない」として独自の核兵器開発に進む可能性を指摘している。
いずれにせよ軍事オプションの道を選んだ場合の犠牲はあまりに大きいということとなる。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)

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