アメリカの外交専門誌「The Diplomat」は25日付けの記事で北朝鮮が新型の潜水艦発射弾道ミサイル用のロケット・モーターの試験を先週行っていたと報じた(写真下)。

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場所は昨年3月に金正恩委員長立ち合いの下、固体推進剤のロケット・モーターの試験が行われた(タイトル写真)東海岸の咸興市(ハムンし)にある試験場だ。

まずなぜ、北朝鮮からの発表がないのに固体推進剤の試験ということがわかったのだろうか?
沖縄・嘉手納基地には空中に浮遊する塵を集めて分析するための特殊な偵察機「コンスタント・フェニックス」がアメリカから展開し、当日25日にも飛んでいる。燃焼試験後に大気中に舞った燃えカスを収集し分析した結果、固体推進剤の燃焼試験が行われたという結論に至ったのかもしれない。

北朝鮮は、当初液体推進のロケット・エンジンだった「北極星1型潜水艦発射弾道ミサイル」を固体推進に替え、昨年8月に発射試験を行っている。
アメリカ軍筋は先週の試験は、昨年3月に行われたロケットモーターとは異なる「新型」の試験だったと見ているとのこと。

さらにアメリカの情報筋は、弾道ミサイル搭載艦がある新浦(シンポ)基地にて今年の5月30日、7月18日、25日、30日に発射筒からのミサイルを撃ち出す試験があったとしている。

潜水艦発射弾道ミサイルの場合、海中で噴射はできないのでガスの圧力などを使って、まず潜水艦からミサイルを空中に撃ち出す。それから噴射を開始する「コールド・ローンチ」方式をとる(写真下)。そのための試験が繰り返し行われていたということだ。

新型ミサイルだった場合、胴体に複合材を使って軽量化を図り、射程1,000km以上ともいわれた北極星1型より射程が伸びるのではないかと見られている。

潜水艦から発射されるミサイルはどの場所からどの方向に発射されるかわからない。
加えて射程が1,000km以上よりさらに伸びるとなると、万が一、日本が狙われた場合非常に高く打ち上げて手前に落とす「ロフテッド軌道」をとることとなり、いま日本にある迎撃ミサイルでの迎撃は難しくなるかもしれない。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)

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