大手不動産トップ 衝撃の逮捕

大阪の学校法人・明浄学院をめぐる“消えた21億円”事件。

12月16日、大阪地検特捜部はさらなる立件に踏み切った。
大手不動産会社プレサンスコーポレーションの山岸忍社長(56)を、業務上横領の疑いで逮捕したのだ。

ヤドカリのコマーシャルで知られる東証一部上場企業プレサンスは、1997年に山岸社長が創業。近畿圏の分譲マンションの供給戸数は9年連続でトップを誇り、昨年度の売上げは5年前と比べて約3倍にのぼる。

浮かび上がった事件の構図とは?

“消えた21億円”に大手不動産トップはどう関わっていたのか。

大阪地検特捜部によると、山岸社長は2017年、明浄学院・大橋美枝子元理事長ら5人と共謀し、明浄学院が土地を売って得た手付金21億円を横領した疑いが持たれている。

明浄学院は、不動産会社ピアグレースと高校の用地を売却する契約を結び、手付金21億円を受け取った。この21億円は、プレサンスがマンションを建設するために不動産会社を介して支払ったものだった。


大橋元理事長は、契約したその日のうちに複数の口座を経由させ、買い主のピアグレースに21億円を『還流』。金はそこからさらに山岸社長個人へと渡った疑いがあるのだ。

プレサンスは「社長が逮捕されたことは誠に遺憾で、皆様にご心配ご迷惑をおかけし深くお詫び申し上げます」とコメントしている。

山岸社長から元理事長が18億円の借金

事件の約1年前、当時まだ理事長ではなかった大橋氏は、不動産会社ピアグレース社長から18億円の借金をしていた。大橋氏が理事長の座を得るための資金だ。

関係者によると、この18億円は山岸社長が支払っていたということで、大橋元理事長は「借金を返済するために21億円を送金した」と話している。

一見不可解にも思える巨額の借金から、山岸社長の思惑が浮かび上がってきたなぜ山岸社長は大橋元理事長に巨額の金を貸したのか?18億円もの貸し借りをした2人は、いったいどんな関係にあったのだろうか?

なぜ大手不動産トップが横領事件に関与したのか

プレサンス関係者から重要な証言を得ることができた。「山岸社長は『土地の契約を円滑に進めるために、個人で金を貸した』と話していた」。

明浄学院の土地は、あべのハルカスの近くにある大阪市内の一等地だった。莫大な利益を生む可能性を秘めている。

そう考えると、不可解なカネの流れが一本の線でつながる。

山岸社長が18億円を貸すことで、大橋氏が明浄学院の理事長になる

明浄学院とプレサンスの土地取引がスムーズになる

プレサンスは一等地を手に入れる

山岸社長が貸した金は『還流』で戻ってくる

山岸社長はそこまでして明浄学院の土地を手に入れたかったのだろうか。

大手不動産トップと学校法人理事長らの間で、巨額のカネが動いた事件。山岸社長が逮捕される前、自宅を何度も訪ねたが、不在が続いていた。

捜査関係者によると、逮捕前の調べに対し、山岸社長は容疑を否認していたという。プレサンスは「新たな事実関係が明らかになり次第、速やかに情報開示する」としている。

社長逮捕から1週間後の12月23日、プレサンスは初めて会見を開き、山岸社長が辞任して土井豊副社長が社長に昇格したことを明らかにした。


プレサンスコーポレーション・土井豊新社長:
これまではオーナーであり社長である山岸にある程度決裁の権限が集中していました。しっかり協議した上で物事を決める体制を作ります。


プレサンスは「18億円の貸し付けは学校の移転費用だったと山岸社長から報告を受けていて、還流した事実は聞かされていない」と説明。


弁護士で構成する外部調査委員会を立ち上げ、問題の検証やガバナンス体制の改革を行うとしている。


(関西テレビ)

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