「特にスキル持たない」ミドルシニアが働き続けるには?

“ミドルシニア”と呼ばれる、40~60代。定年を迎えた先は仕事に縛られない悠々自適な生活を夢見ている人も多いだろう。

だが、「人生100年時代」と言われる中で、70歳までの継続雇用制度が打ち出されたり、一方で40代~50代の早期退職者の募集をする企業も相次いでいたり、まだまだ働かねばならない時代に突入しているものの身の振り方をどうするべきか悩ましい世代でもある。

こうした中、“ミドルシニア”世代を対象とした、自身のスキルについての調査結果が公表された。

この調査は、40〜60代を対象とした求人情報サイト「ミドルシニアお仕事ナビ」を運営する、株式会社 大成広告社が実施したもの(関東在住の40歳以上の転職希望者109名が回答、2019年11月12日~11月15日)。

その中で、「自分ならではの特徴・スキル」について質問したところ、実に32.1%の人が「特にスキルはない」と回答したのだ。

(提供:ミドルシニアお仕事ナビ)

上位に挙がったのは、「特にスキルはない」の32.1%に次いで「コミュニケーション力」の21.1%、「PCスキル」の21.1%。

また、「現在の仕事において、自分ならではの特徴・スキルが活かせていると考えていますか?」という質問に対して、「あまり思わない」「全く思わない」と回答したのは52.3%となり、「強く思う」「思う」の47.7%を上回る結果となった。

(提供:ミドルシニアお仕事ナビ)

わずかな差とはいえ半数以上の人が「仕事に自分のスキルが活かせていない」と考え、さらにそもそも「自分にスキルはない」と考えている人が3割いるという事実。

本当に「スキルを持たないミドルシニア世代」が多くなっているのだろうか?
そしてそれが事実ならば、そんなミドルシニア世代がこれから先も働き続けるにはどうしたらいいのだろうか。

調査について、担当者に詳しくお話を伺ってみた。

スキルを持っていないと思い込んでいる

――この調査を行ったきっかけについて…

人手不足が叫ばれるなか、これを解消するために大企業が副業を解禁したりと、日本においても雇用の流動性が高まっています。若手の獲得が話題にのぼることが多いですが、ミドルシニア、外国人含めた多様な幅で流動性を高め、人手不足を解消することが必要であると考えています。そこで、実際に転職したミドルシニアの方々から本アンケートを実施し、どのような認識、考えをもっているのか、まずは働き手側の実態を確かめました。


――「スキルを持っている」というのはどの程度のレベルを想定している?

「PCスキル」であれば、「ワード・エクセル・パワーポイントを一通り使える」というレベルの想定だと考えています。



デジタル化する社会で「PCが全く使えない!」という人はビジネスパーソンには少ないだろうが、「PCスキルを持っている」と思っているミドルシニア世代はわずか21.1%。
もし“プロフェッショナルレベル”のスキルを求められているのだとしたら、そこまで自信はない…という人が多くても不思議ではないが、想定しているレベルはあくまで業務に必要なツールを使える、というレベルのもの。

では、ミドルシニア世代は本当にそのレベルのスキルを持っていないのだろうか?


――「スキルを持っていない」と答えたミドルシニア世代が多いのはなぜ?

「実際にはスキルを持っているにも関わらず、自分はスキルを持っていないと感じている」が近く、本回答からは、ミドルシニア層の自信のなさが窺えたと考えています。自分の魅力や能力を自身で見いだせていない、そのような機会が今までなかったのではないかと思います。

ミドルシニア世代は自分のスキルに気付いていない?

実は、ミドルシニア世代はスキルを持っていないのではなく、自身のスキルを自覚できる機会に恵まれず、「スキルを持っていないと思いこんでいる」と分析している。

想定している「スキル」とはあくまでも実務レベルのものであるが、ミドルシニア世代はそれらのスキルを確認する機会がなく、自身の魅力を見出せていないというのだ。

会社側が「ミドルシニアの輝かせ方」探るべき

では、ミドルシニア世代はすでに十分なスキルを身につけているので、新たに学んでいく必要がないのかというと、そうではないという。

――ミドルシニアが今後身につけていくべきスキルは?

雇用の流動性が高まれば、異業種転職や異職種転職も多くなると思います。いわゆる未経験領域です。したがって、一概に共通したスキルではなく、むしろ大切になるのは「自身がどのような仕事に取り組みたいか」「どこに向かいたいか」という意思であり、その方向性にあったスキル開発を行うことが必要であると考えます。
自身の方向性によって、スキルを学ぶ場所も変わると考えています。


終身雇用が崩れつつある今、ミドルシニア世代も未経験領域に進む可能性もある中で、「このスキルを身につけておけば安心」という“共通したスキル”はない。
今後「自身がどのような仕事に取り組みたいか?」「どこへ向かいたいか?」というビジョンを固めることで、ミドルシニア世代も新たに学ぶべきスキルが見えてくるということだ。

ミドルシニア層が輝くには“未経験領域”への転職も

――では、歳をとっても働ける仕事とはどんなものがある?

ミドルシニア層がそれぞれのスキルを発揮できるような仕事を、これから企業側が考え、工夫する必要があると思います。


今や、「先が見えない」のは若者世代だけではない。“現役時代”の長期化が見込まれる中、「人生100年時代」の後半戦の人生設計に直面して自身の価値を見誤ることのないよう、今自分はどのようなスキルを身につけているのか、どのようなスキルが武器となるのか、改めて見つめ直す機会が必要になってくるだろう。

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