社外の日本人のお客様から凄く信頼される外国人の社員がいたら、本当に頼もしい事だと思います。
逆にマネージャークラスに抜擢するには最低条件になるかもしれません。
今回は特に他と差別化出来るような営業マンを育てるコツを紹介します。

1.「 外国人であるメリット」を最大限に利用

変な話ですが、「綺麗なお辞儀」「丁寧な名刺の渡し方」など、日本人では評価が上がらないポイントでも、外国人がすれば評価が急激に上がるポイントが幾つかあります。これは徹底的に利用しましょう。
そして、外国人だから「自分の母国ではこうだ」とか「自分の国ではこう考える」といった話が出来るのが長所ですが、こういった話をする前に、“私は日本文化を理解するよう努めています”という印象を与えるのも大事です。
この印象が無いと、ただの勘違いした人、この印象が有ると、とても優秀な外国籍の人になります。

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2. 客先に一人で訪問させ「失敗と成功を経験」してもらう

幾ら日本人が同行してあげても、ある程度以上は伸びなくなります。
なぜなら、“日本人だから成功する方法”と“外国人だから成功する方法”は全く違うからです。

基本的なビジネスや営業のルールを教えるまでは良いのですが、その後は、自分自身で正解と不正解を見つけていく事が重要です。日本人であれば“スタンダードなやり方”で上手く行く事も多いですが、日本に暮らして間もない外国人の場合は、日本語能力や日本文化への理解は当然日本人には及びません。何か違う部分でそれをカバーしていくわけですが、それは自身の最も得意な能力である事が多く、結局のところ千差万別です。
ですので、早く自分のやり方を見つけた方が実は日本人以上に近道なのです。


3. メールは完璧に、会話は完璧さではなく「わかり易さ」

当然、日本語が完璧ではないので、メールや会話の内容を直してあげる機会も多いはずです。社外に出すメールは完璧さを求めて構いません。メールでの文章はある程度定型文が多いので、回数を重ねてしまえば、すぐに一定水準に達します。

ただ、会話の指導をする時は、「てにをは」や「接続詞」や「敬語」など、細かい話は不要です。
不完全な日本語でも相手に伝わりやすくするには、“語順”と“前置き”と“強調するポイント”これだけです。

簡単に例を挙げると、“これから○○の話をします” “結論は△△です” “理由は幾つかあって・・・” “繰り返しになりますが、私がどうしても言いたいのは□□です” と言った形。

ネイティブではない日本語を聞いていると、話の途中で分からなくなったり、意図が掴めなかったりする場合があります。
ですから、必ず細かく、「今何の話をしているか=(前置き)」「結論から先に=(語順)」「自分が伝えたいこと=(強調)」のセットで話をして貰う事です。
ようするに、話している相手の頭の中にどういった事を記憶させるのか、が重要です。油断していると、聞いている相手が“日本語は分かったけど、結局何を伝えたいのか分からなかった”という風になりがちなのです。


4. 言葉は意味じゃなくて「相手への伝わり方」を教える

例えば、素直な外国籍の方の場合、「些細なことでも“すみません”というのが日本人だよ」、「(出来るかわからない事を)絶対出来ると日本では言ってはダメ」なんて事を言うと、この原則を守ろうと努めます。

しかし、そうすると、いつでも“日本人には謝っている外国人”にもなりえてしまいます。
正しくは、挨拶で使う「すみません」と謝罪の意を伝える「申し訳ありません」の使いどころを教えることです。

実は日本人も安易に「申し訳ありません」とは言いません。でも、「すみません」は挨拶がわりでも使います。
普段は日本人自身が意識していないことかもしれませんが、この辺りの言葉の“伝わり方”を正確に教える事が重要です。


5. 営業トークは「ストーリー」で勝負

日本では、ストーリを語る際に、「起・承・転・結」を用いて話します。
細かい商品の説明云々よりも彼ら自身が熱を入れて話せるようなストーリーを沢山話して貰った方が、特徴をより活かせます
複雑な説明をしなくてはいけない場面などでも、まずはストーリーで話して貰った方が、営業される側としても、たどたどしい日本語で難しい話をされるより、頭に入ってきやすいです。

6. 人柄は素直さで勝負

外国人でも好かれる営業マンの共通点は、「割とものをはっきり言う事」
国籍に関係なく初対面の人の心を開き、信頼を得ることは難しいことですが、 特に少ない時間の中でこの信頼感を得やすいのは、「良くも悪くもストレートにものを言う」という印象を持たれる方が、総合的にはプラスになります。もちろん、はっきり言い過ぎるのがマイナスに働く場面もあるかもしれませんが、必要以上に指摘をしない方が、結果には結びつきやすいかもしれません。


7. 数字と統計を覚えさせる

「統計」という言い方が適切では無いかもしれませんし、国によっては異なりますが、統計を提示するよりも、メリットや特徴などをいかに上手くアピールすることに注力する営業方法が用いられている場合があります。
一方、日本の場合は、全体の内訳や傾向、さらに企業における過去の実績など数字で表現する方が好まれる傾向があります。
意識的にこの「統計的な考え方」を理解してもらえるような営業トレーニングを行うとよいでしょう。

特に出身国関連の事を数字で語れると信頼感が増すので、営業マンとして1つ階段を上がる際には重要なテクニックです。

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