女性の働きやすさ×フレックスタイム制

電子部品組み立てなどを行う、長野県木曽郡木曽町のテヅカ精機。現在は従業員46人で約8割が女性だ。
働き方改革関連法の施行に先駆け、4年前からフレックスタイム制を導入した。
社員もパート従業員も、午前7時半から午後5時の間で自由に勤務時間を設定している。

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テヅカ精機 手塚良太社長:
若い女性は、子育ても大変です。ただ(女性は)手は器用ですし、目もしっかりしているので、そこを生かして働いて欲しかった。

午後3時まで働くパート従業員の清水さん。5歳と8歳の娘をもつ母親。

パートの清水美佳さん:
いい環境で働かせてもらっている。保育園とか学校の時間内で働けるところを探していたので、とてもありがたい。

こちらの中村さんも5歳の娘の母親。5年前にパート従業員として働き始めた。その後、働きぶりが認められ正社員となった。
フレックスタイムのおかげで勤めることができている。

社員・中村由佳里さん:
子どもの迎えや家庭の事情もあるので、その中で働きたいというのがあったので。
おばあちゃんが保育園に迎えにいける時とお迎えにいけない時がある。また用事があると時ある。そういった事情によって、勤務時間は決めさせてもらっています。

この日の中村さんは午後4時に退社し、長女の迎えに行った。

社員考案の機械で仕事の効率化進む

女性が働きやすい環境を整える一方で、会社は効率化も進めている。
カーナビの部品を作る工程。社員が考案した、ゴムとプラスチックを全自動で組み合わせる機械を導入した。

考案した赤羽美里さん:
最初手作業でやっていて、手でハウジングを組むときに痛くなってしまって爪がはげてしまった。
人間の手よりも機械のほうが正確に数も多く作れるので、時間短縮につながっている。

この機械の開発で、赤羽さんは文部科学省の「創意工夫功労者賞」を受賞している。

考案した赤羽美里さん:
自分の考えたものが認められて嬉しかった。今後もみんなの作業が効率よく進むようなものを考えたい。

自動化の他に、複数の作業をこなせるよう社員のスキルアップを図り、効率的な人員配置をしている。
多いときで1人あたり月平均50時間あった残業は、2時間ほどに減った。

勤続25年荻原薫代さん:
どうしてもノルマがあるので間に合わせないといけないので、前は6時とか6時半まで働いて、土曜日も仕事というときが多かったので。
今は大体5時で帰れるし、朝も8時。前は7時半のときとかもあったので、時間が短くて助かってます。

さらに、省力化のために行ったシステム開発は事業の拡大にもつながった。車載マイクの周波数を瞬時に記録し、不良品を選別するシステム。

システム開発した 村田一輝さん:
製品があってOK・NGの判定をするんですけど、このOKの判定を短くして、一つ作るのに0.5秒縮まるだけでも、日に1000個作るとだいぶ時間が縮まるので。生産者の作業時間が短く生産性も上がるプログラム、機械設備を調整してきた。

こうした省力化システムは取引先でも評判となって、システムを開発してほしいとの発注があり、今は電機設備なども手がけるようになった。

「地域の雇用を増やしたい」

木曽谷も少子高齢化、過疎化が進んでいる。「地域のために出来ることは」と考えて、障害者施設に内職の仕事を出したり、
パート従業員にもボーナスを支給するなど、取り組みは働き方改革の域を超えている。

テヅカ精機 手塚良太社長:
木曽という地域柄なんですけど、働く場所が少なくて帰って来れない、木曽から出てしまう人が多いので、とにかく木曽の雇用は増やしていきたいという思いが最初からありました。一人ひとり生活スタイルや考え方も違うので、一人ひとりに合わせた働き方、働きやすい環境づくりを考えていけたら。

(長野放送)

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