日本海側初の水族館

ある標本を食い入るように見る子供たち。今年31年ぶりに富山湾で捕獲された「アカナマダ」に、最近頻繁に水揚げされる深海魚「リュウグウノツカイ」だ。

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訪れた子供:
でかくてかっこいい

富山県魚津市の海沿いにある魚津水族館。大正2年、日本海側初の水族館として誕生した。

100年以上の歴史の中にはこんな偉業も。
うろこが大きく鎧をまとっているようにも見える「マツカサウオ」。

大正時代に起きた停電がきっかけで、マツカサウオの下あごが発光することを世界で初めて発見した。

魚津水族館学芸員 不破光大さん:
富山湾の大水槽になります。主役はブリで今60本くらい入ってます。昭和56年に作られた水槽で、向こうに見えるトンネルありますよね。全面アクリルトンネルで日本で初めて作られたトンネル水槽になります

今やほとんどの水族館でお馴染みとなったトンネル型の水槽も日本で初めて作った。

魚津水族館に展示されている魚は330種類。派手さはないが、立山連峰から富山湾の深海に至るまで、高低差4000メートルという世界でも稀な地形に住む富山の生き物にこだわっている。

その生き物の一部は飼育員自らが捕獲してきたもので、時には海にも潜る。

魚津水族館学芸員 不破光大さん:
調査、研究を兼ねて富山の環境にはどんな生物がいるのか、特徴があるのかを調べながら展示しているので、魚だけでなく植物も取ってきたりして、なるべく自然を切り取って持ってくる。それを入り口に富山県の環境を知ってもらい、遊んでもらおうと考えている

人気の深海コーナー

最も深いところで水深1000メートルをこえる富山湾。
ベニズワイガニをはじめ、様々な生き物が住んでいるが、生態の多くは解明されていない。

水族館ではその深海の生き物を集めたコーナーが人気を集めている。
水深200メートルより深い場所に住む「ノロゲンゲ」や「ザラビクニン」など海の生き物たちだ。

今年31年ぶりに見つかったアカナマダの標本展示では、解剖したとき学芸員が調理して食べた感想や、お尻から墨を出す特徴をいかして書いた「令和」の書も展示されている。

魚津水族館学芸員 不破光大さん:
アカナマダの墨は墨汁に比べるとちょっと粘っこい。でも書いて頂いた方に聞くと、書きやすかったよと。仕上がってみるとちょっと生臭かったです。

ただ、胃袋からはプラスチックゴミが…

魚津水族館学芸員 不破光大さん:
お腹パンパンに入っててちょっとショックでした。恐らくイカと間違えて飲んだと思うんですが、体からたくさん出てきてプラスチックゴミというと、海外や太平洋側の話と思われがちですが、富山湾でとれた魚でも出てきて、深刻にとらえたいと一緒に展示している

訪れた人:
ビニールとか薬の包みとかが捨てられているのがわかったから、海にゴミを捨てないようにしたい

100年前からこれからも変わらず、富山湾を見つめ続ける。

(富山テレビ)

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