日本に「外交官ナンバー」は何台あるの?
この記事の画像(8枚)外国の大使館関係者らが使う青色プレートの外交官ナンバー車は国内に「1966台」。外務省が初めて明かした数字だ。
日本に大使館を設置している国数は現在「155」。
大使館は東京都内に集中していることから、外交官車は都内の車のおおよそ「2000台に1台」とみられる。
外交官ナンバーが違反金を踏み倒しまくっている!
駐車違反をして黄色の“駐車違反キップ”を貼られても放置違反金を5年間支払わず“踏み倒した”数は、外交官車で年間「約3000件」に上ると取材で判明。
“踏み倒し”の数は都内全体でも「約1万7000件」とも分かったので、外交官車による“踏み倒し”は、都内の車の「6台に1台」に上っていることも判明した。
割合では、外交官車は一般ドライバーの「300倍」も踏み倒している計算だ。
逮捕もされない「外交特権」とは
外交官は、ウィーン条約によって「外交特権」が保障されている。
1. 不可侵権 (公館、身体、文書、通信の不可侵)
2. 治外法権 (刑事・民事の裁判権、警察権からの免除)
これらから、外交官は放置違反金を支払わなくても、裁判にかけられることも財産を差し押さえられることもないのだ。
“踏み倒し”3000件の内訳トップ2は・・・あの国だった。
トップはロシアで「約750件」、2位が中国で「約600件」。
日本国内に各国の大使館は「155」もあるのだから、年間「約3000件」の内訳として、この2か国がいかに多いかが分かる。
外交官が飲酒運転?
外交官車については放置違反金の“踏み倒し”だけでなく、飲酒運転や通行帯違反などの「違法運転」を繰り返している疑いがあることも分かった。
FNNはロシアの外交官が6月、東京・六本木の駐車禁止場所に外交官車を違法駐車した後、飲食店でビールを飲み干す様子をカメラで捉えた。
飲酒後に1人で車に戻ろうとした外交官を直撃取材すると、外交官は飲酒した事実を認め、急きょ友人を電話で呼び運転させ、その場を後にした。
飲酒運転をしていれば事故を引き起こす危険もあった。
さらに東京・目黒通りでは、外交官車が毎朝のようにバス専用レーンを走る通行帯違反を繰り返している実態も判明した。
警察は取締りもしないの?
警視庁は「外国人交通事故及び違反処理要綱」を交通部長名で各所属部長に通達している。
この中で、「交通反則通告制度(※通行帯違反などが対象)は、刑事処分とは異なる行政措置であるから、外交特権等享有者に対しても適用できる」「非反則事件(※飲酒運転、無免許運転など)については、これを看過することなく、再び同種の違反を犯さないよう積極的に警告指導を行うこと。この場合、酒酔い運転等無謀な違反行為については、その現場において制止し (後略)」としている。
しかし、警視庁がFNNに明かした実際の取締り件数は、飲酒運転、無免許運転だけでなく、反則通告が出来るはずの通行帯違反も「0件」だった。
この理由については、現場の警察官が実際に取り締まる場合には、言葉が通じず通訳を呼ぶ必要も出てくるため、
「処理要綱」の通りに運用されてない可能性も考えられるが、分かっていない。
そもそもなぜ「特権」を?
ウィーン条約は前文で理念を「国の間の友好関係の発展に貢献することを信じ」と語っている。
一方、外交特権については「個人に利益を与えることにあるのではない」とクギを刺している。
そもそも外交官は崇高な理念のもと、その国を代表し任務にあたる人たちである。
外交特権を悪用する外交官にはノブレス・オブリージュ(身分の高い者はそれに応じて果たさなければならない社会的責任と義務がある)を果たしてもらいたい。
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