「“ZEROコロナ”といってもウィルスをゼロにするわけではない。“WITHコロナ”との対比だ。感染拡大の繰り返しを防ぐ段階まで感染状況を抑え、再拡大しない封じ込め策を徹底的に打つ、そうすることによって早期に通常に近い生活や経済活動を取り戻していく」

立憲民主党の枝野代表は2月26日の記者会見で“ZEROコロナ戦略”を打ち出した。これは立憲民主党としての新型コロナウイルス対策で、感染封じ込めを徹底し十分に収束させてから経済活動を取り戻すという施策だ。感染拡大防止と経済を両立させる“WITHコロナ”路線が基本の菅内閣への対立軸として提案されたものだ。枝野代表は3月1日の衆議院予算委員会で、菅総理に対し“ZEROコロナ”への転換を迫る考えだ。

“ZEROコロナ”のビジョンは1月の通常国会冒頭で、枝野代表が打ち出し、それが党内で精査され、25日の政策審議会で了承された。

枝野代表は会見で、「社会・経済と感染対策の両立ができれば一番いいが、目の前の利益を少し急いだことによって、再び、より深刻な波が来て、さまざまな制約がむしろ大きくなる。そして医療がひっ迫し人の命が失われていく。こういうことを繰り返してはいけないということが、この間の明確な教訓だ」と述べ、これまでの政府の対応に疑問を呈した。さらに日本と同じ島国である台湾やオーストラリア、ニュージーランドでは同種の感染拡大防止の対策に成功し、経済活動を再開できていることを指摘した。

立憲民主党HPより
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枝野代表はその上で“ZEROコロナ戦略”に向けた3本柱を掲げた。

1、しっかりとした医療への支援
2、検査の拡充等による感染者の早期発見と、治療による感染の封じ込め
3、感染の封じ込めを達成するまで、人々の暮らしや事業を支える

立憲民主党HPより

医療支援では、収入が減ったすべての医療機関への経済支援のほか、慰労金について薬剤師や保育士等まで対象を拡大して支給することなどを挙げている。

また感染を封じ込める具体策として、感染者を未発症の状況でできるだけ早く発見するために検査を大幅に拡大する必要性を指摘。そのために、医療や介護従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーなどへの無料定期検査、感染者の周辺をより広く無料検査するとし、また安価で迅速に大量に検査できる機器の購入を全額補助するなどして検査を徹底することを掲げた。そのほかにも、すべての入国者をホテルで10日間隔離し、PCR検査を複数回、間を空けて行うなど水際対策を強化するとした。

立憲民主党HPより

加えて、枝野代表は、感染ルートをしっかりと追うためにゲノム解析の推進を強調。国内で相次いで確認される変異ウイルスの早期検知に向けて、国立感染症研究所や地方衛生研究所だけではなく、大学などとも連携をしたゲノム解析の体制を作るべきだとした。

国民が望むのは、菅内閣の“WITHコロナ”か、それとも立憲民主党の“ZEROコロナ”か。FNNが2月20・21日に行った直近の世論調査で立憲民主党の支持率は8%と、自民党(38.6%)の4分の1以下だ。記者会見で記者から熱量不足を指摘された枝野代表は、コロナ禍で政党や政治家が出過ぎることは「ちょっと違うと受け止められるのではないか」と述べた上で、強い口調で次のように語った。

FNN・産経合同世論調査【2021年2月】

「いよいよ残り半年の間に選挙があるという状況なので、皆さんにあんまり気付かれないように、ギアはこの間に3段ぐらいアップしているつもりだ。そのうちじわじわと感じていただけるのではないか」

国民が“1票”として意思を示せる衆議院選挙は今秋までに行われるが、一足先に4月25日に北海道2区、参院長野選挙区、参院広島選挙区で補選が実施される。菅政権で初めての国政選挙となるが、そこで醸し出される“存在感”は有権者に届くかどうか、注目していきたい。

(フジテレビ政治部 大築紅葉)