20日夕方開かれた講演会に2ショットで現れた自民党二階幹事長と東京都の小池知事。

都議会自民党や自民党都連が小池知事と対立し続ける中、小池知事の再選を支持している自民党の二階幹事長は「知事の会がこのように盛大に開催され同志の一人として心から感謝する」と小池知事のことを「同志」とのべ“一体感”を強調した。

20日 講演会に出席した小池都知事と二階幹事長
20日 講演会に出席した小池都知事と二階幹事長
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小池知事の任期は残り1年を切った。

残り任期1年となり、インタビューや記者会見では、「二期目の出馬」についての質問が相次ぐが、「都政に集中している」などと言って全く言質を取らせない小池知事。
マスコミ各社は、今後どのタイミングで「小池知事、二期目出馬へ」と報道するのか頭を悩ませている。

「二期目の出馬は100%」と言える理由

小池知事の二期目の出馬は100%間違いない。
逆に、出馬しない方が大きなニュースになる。

なぜ「出馬100%」なのか。

それは小池知事の政策と活動に表れている。
都庁幹部いわく、小池知事の今の政策的関心は「子供とIT」。
子供については、待機児童対策はもちろん、ベビーシッター補助制度、最近では子育て応援車両など様々だ。
また、ITについては、ヤフー元社長の宮坂氏を東京都の参与に任命して、5GやAIで社会の問題を解決するSociety5.0などに力を入れている

この“未来志向型”の2つの政策に重点を置き、知事任期“最後の年”の予算編成を進めていくことや、2020年の東京オリンピック・パラリンピック以降の長期計画を今年中にまとめることから、「事実上の二期目以降の公約づくり」が進められていると言える。

活動面では、小池知事は都庁内で 「歴代知事の中で最もマメ」と言われるほどイベントなどの都民と触れ合う場所に頻繁に顔を出している。
もともとマメな性格の上に、知事任期折り返しとなった去年の夏ごろからは、その傾向がさらに強まり、「50人集まれば小池が現れる」 「公務=選挙活動」と言われるほど、小規模イベントにも積極的に出席している。

「歴代知事の中で最もマメ」 (8月19日お台場)
「歴代知事の中で最もマメ」 (8月19日お台場)

一方、都知事再選に重要なのが公明党の支援だ。
今月6日、小池知事は都内で公明党都本部所属の国会議員や都議と意見交換をした。
来年度の国の予算などに対して、東京都の要望を伝える場だったのだが、小池知事は都政について熱弁をふるうだけではなく、公明党の協力への感謝と今後の連携を求めた。
会場では、出席者の1人である公明党の山口代表が、そっと拍手をする姿も見られた。

8月6日 東京都と公明党との意見交換会
8月6日 東京都と公明党との意見交換会

ある都庁幹部は小池知事と公明党との蜜月ぶりをこう話す。
「以前は公明党が政策提案をして予算要求をしても自民党がストップをかけることがあった。しかし、(小池知事が特別顧問の)都民ファーストが公明党にストップをかけることはない。公明党の政策はいまだかつてなく都政で実現している」

出馬表明のタイミングは…

二期目に向けて着々と“準備を進めている”小池知事。では出馬表明のタイミングは…

歴代知事の例を見ると、選挙直前の、都議会最終日の、一番最後に、知事発言として出馬表明をするのが「定番」とされている。
石原元知事の4選目の出馬表明も、2011年3月11日の都議会の最後に行われた。

「前回は空中戦だったが今回は地上戦」「今の小池知事は落ち着いて余裕がある横綱相撲」
都庁幹部がこう評する最近の小池知事には、3年前の都知事選の時のような派手な発言は影を潜めている。地道かつ堅実路線に徹しているようだ。

そう考えると出馬表明も、奇をてらうでなく、「定番」の「来年の選挙直前の都議会最終日の最後に」の可能性が高いのではないか。

しかし小池知事周辺からは、「定例会でも言わず、もっと選挙ぎりぎりまで出馬表明しないのでは」との見方も出ていて、出馬表明のタイミングは二つのうちのいずれかになると思われる。
いずれにしろ、小池知事の出馬表明は、まだまだ先で、しばらくは色んな憶測が駆け巡りそうだ。

(執筆:フジテレビ 社会部都庁担当 小川美那)

小川美那
小川美那

「お役に立てれば幸いです」 見てくださる皆さんが“ワクワク&ドキドキ”しながら納得できる情報をお伝えしたい! そのなかから、より楽しく生き残っていくための“実用的なタネ”をシェアできたら嬉しいなあ、と思いつつ日々取材にあたっています。
フジテレビ報道局社会部記者兼解説委員。記者歴20年。
拉致被害者横田めぐみさんの娘・キムヘギョンさんを北朝鮮でテレビ単独取材、小池都知事誕生から現在まで都政取材継続中、AIJ巨額年金消失事件取材、TPP=環太平洋経済連携協定を国内外で取材、国政・都政などの選挙取材、のほか、永田町・霞が関で与野党問わず政治・経済分野を幅広く取材。
政治経済番組のプログラムディレクターとして番組制作も。
内閣府、財務省、金融庁、総務省、経産省、資源エネルギー庁、農水省、首相官邸、国会、財界(経団連・経済同友会・日商・東商)担当を経て現在は都庁担当。