スタバも新店舗をオープン!全国で注目の「ロースター喫茶」
今、全国的に注目が集まっている「ロースター喫茶」。
コーヒーを生豆の状態で仕入れ、焙煎、販売するスタイル。今年2月には、あのスターバックスが焙煎工房を併設した新店舗「スターバックス リザーブロースタリー」をオープン。連日大盛況となっている。
しかし実はこのスタイル、愛知県では昔からある。
名古屋の喫茶文化に詳しいライター大竹敏之さん:
愛知は元々“ロースター喫茶王国”なんです。喫茶店のニーズが非常に高い、それを経営指南する役割としてロースターが必要とされたんです。
“ロースター喫茶王国”愛知を支えてきたコーヒー店
この記事の画像(7枚)名古屋市東区、「イトウコーヒー」本店。こちらでは世界各国から厳選されたコーヒー豆を販売している。
Q.こちらはコーヒー豆だけの販売ですか?
イトウ珈琲商会社長 伊藤さん:
家庭でレギュラーコーヒーを楽しんでいただこうということで、店を出しております。
「イトウコーヒー」は昭和26年創業。コーヒーの卸売り業からスタート。やがてコーヒー豆の輸入・焙煎・販売を手掛けるようになり、今では東海3県約700店舗の喫茶店などにコーヒーを配送している。
味の秘訣は焙煎方法に
そんな「イトウコーヒー」の味のこだわりを探るため、焙煎工場へ…。
豆の倉庫では、南米、アフリカ、東南アジアなど、およそ10ヵ国から買い付けたコーヒー豆が積まれている。焙煎前の生豆は、少し緑がかっている。
イトウ珈琲商会 工場長 伊藤さん:
(この状態の豆は)全く香りも何もないです。
生豆はパイプを通って吸い上げられ、隣にある巨大な焙煎機へと運ばれる。1日およそ1.5トンも焙煎している。
焙煎機から煙が出てきて、焼きあがった焙煎豆が流れ出てきた。
Q.1番のこだわりは何でしょうか?
伊藤工場長:
1番のこだわりはブレンドコーヒーです。6種類の違う生産国の豆を、豆にあった最適な焙煎方法、焙煎度合で焙煎し、あとからミックスする。そうすることによって本当に風味が豊かな良いブレンドコーヒーができあがります。
それぞれの豆を、土壌や気候に合わせ最適な温度や時間で焙煎し、最後に混ぜ合わせる「アフターミックス製法」を採用。豆をよく知るプロならではの製法だ。
手間はかかるものの、このやり方がおいしいコーヒー作りには欠かせないとのこと。さらに、カッピングといわれる味のテストも。焙煎した全種類の豆を毎日欠かさずチェックしている。
コーヒーメニューが24種類も…
このアフターミックス製法で作ったコーヒー、全ての豆を1度に焙煎したコーヒーと、どれくらい味の違いがあるのか?
愛知県知立市にある「イトウコーヒー」の直営店、「遇暖(ぐうたん)」知立店で飲み比べをしてみることに。
まずは1度に焙煎したコーヒーから…。
リポーター:
ちょっとアメリカンな感じで、あっさりとしたコーヒー。
そして、「イトウコーヒー」こだわりのアフターミックスは?
リポーター:
全然違う!深みが違います。同じ豆を使ってもこんなに違うんですね。
ロースター喫茶の実力を実感。しかし実力は、焙煎だけではない。
コーヒーのラインナップも魅力の一つ。全24種類と豊富なメニューがあり、種類によって淹れ方も変えている。
1種類の豆から作るストレートコーヒーの場合は、豆の持つ味をしっかりと引き出すことのできるサイフォンで。コーヒーの粉がお湯に浸されている時間が長いので、より濃厚な味わいになるという。
じっくりできあがりを待つのもサイフォンの楽しみの一つ。2杯分楽しめるストレートコーヒー「マンデリンウルトラ」は648円。
サイフォンの場合、コーヒーと混ざるお湯の温度が高いため、より豊かな香りが楽しめるという嬉しいおまけも。
リポーター:
香りの割にはあっさりしていて、微妙なほろ苦さ、甘みもしっかりあります。おいしくて飲みやすいです。
続いては豆を混ぜ合わせるブレンドコーヒー。「遇暖ブレンド」432円、こちらは、布を使ったネルドリップ。
最適な温度、92度のお湯で、少しずつ蒸らしながら丁寧に淹れていく。布は紙よりも目が粗いため、淹れたときにコーヒー豆の油分が少し残って口当たりがまろやかになるとのこと。
コーヒーの美味しさを際立たせるグルメも
コーヒーだけかと思いきや、こちらのお店はグルメにも手抜きがない。
「遇暖」知立店 掛塚店長:
菜の花とサーモンのカルボナーラグラタンです。
ペンネ、ジャガイモ、旬の菜の花、そこにホワイトソースと生クリームをたっぷりと。
さらにその上にサーモン、卵黄、そしてチーズをかけてオーブンでじっくりと焼き上げた「菜の花とサーモンのカルボナーラグラタン」(1080円)。
季節限定のメニュー、ボリュームたっぷりでしかもお値打ちだ。
さらには、デザートにもこだわりが。専属のパティシエが腕をふるう魅惑のデザート。なかでもおすすめは、愛知・安城産の旬のイチゴをたっぷり使った「いちごのタルト」(648円)。
掛塚店長:
「いちごが甘いので、タルトの生地は甘さ控えめになっています」
甘さ控えめのデザートも、すべてはコーヒーのおいしさを際立たせるため。とことんこだわったロースター喫茶だった。
(東海テレビ)