変わらずに受け継がれてきたアイスキャンディー
創業101年の島根県安来市にある老舗和菓子店「佐川末廣堂」。
この記事の画像(9枚)和菓子に加えその一角に昭和のレトロ感あふれる「アイスキャンデー」の文字。
この店では昭和19年から夏季限定(9月末まで)でアイスを販売している。販売当初からあるいちご、コーヒー、小豆、抹茶の4種類に加え、今ではマンゴー、柚子、やすぎの夏いちごを加えた7種類を販売している。
昔ながらの製法でアイスを作るのは、三代目の佐川光邦さん(48)。
銅の容器にアイスの液を流し込むと、このアイスの特徴でもある割り箸を…
佐川光邦さん:
コップにストローを入れると斜めになるじゃないですか。それと同じです。斜めの棒がうちの代名詞になっている
冷やし固めること約15分。容器から外し包装すると完成。
佐川末廣堂の昔ながらのアイスには、根強いファンが多いよう。
お客さん:
終戦後ぐらいから食べている。佐川のアイスキャンデーは素晴らしい。
お客さん:
小学校の時からずっとここのアイスキャンディーを食べている。いつもお世話になっている。
このアイスのきっかけを作った初代店主で光邦さんの祖父は、アイスを作る機械を県外から取り寄せた後、太平洋戦争で戦地へ。志半ばで戦死したという。
終戦の前年から始まったアイス作りは今年で75年目。
佐川光邦さん:
今のままでずっと行こうかなと思っている。先代が築き上げてきたものなので、守っていきつつ、残していかなければいけない商品の一つだと思っている。
先代の思いを引き継ぎ地域に愛され続けるアイスキャンデー。
時代は変わっても「変わらない夏の味」がそこには残っている。
(山陰中央テレビ)