中国で行われているバスケットボールのワールドカップ。
日本代表アカツキファイブはここまで、1次ラウンド第1戦でトルコと、第2戦でチェコと対戦し、それぞれ、67-86、76-89と10点差以上つけられて敗れている。

悔しい連敗によって、2次ラウンド進出は厳しい状態となったが、それでも、きょう5日には世界ランキング1位のアメリカとの対戦が待っている。

東京五輪まで1年を切るなか、世界最高峰の相手に力試しできるのはまたとないチャンス。
現地・上海の会場は連日雨模様が続いていたが、決戦の日の朝は晴れ間がさしている。

今夜アカツキファイブが歴史に残る戦いを見せられるのか、ポイントをまとめてみた。

エース・八村塁、王者に借りを返す時が来た

6月、日本人初のNBAドラフト1巡目指名を受けた八村塁。
ワシントン・ウィザーズに所属することとなり、バスケットボールの本場で躍動してくれることを日本中のファンが楽しみにしているであろう。
来月のNBA開幕を前に、このW杯の舞台でアメリカ代表のNBAプレーヤーたちと相まみえることとなる21歳。
期待のルーキーがまずは日本代表として強烈なインパクトを残してくれることに期待だ。

その八村、実は日本代表としてアメリカと対戦した経験がある。

2014年の17歳以下のW杯に出場した、当時16歳の八村。
その試合、日本は38-122という屈辱的な数字で敗れている。
それでも八村は孤軍奮闘し25得点。
ひとり気を吐いた。

しかし当時の悔しさは今も胸に残っており、因縁のアメリカ戦へ向け
「アメリカという国に日本人として対抗するっていうのは、僕としても面白い試合になるんじゃないかと思うし、“日本のバスケ”を見せられたらいい」と、この試合にかける思いは人一倍強い。

そして今回は、“孤軍奮闘”とはならない。
同じくNBAプレーヤーの渡邊雄太、元NBAプレーヤーのニック・ファジーカスなど頼れる仲間とともに「日本一丸」で王者に立ち向かう。

スーパースター不在も優勝候補筆頭は揺るがず

日本の相手となるアメリカチームは、今大会、W杯を前に代表辞退者が続出したことが話題になった。

理由としては、NBAプレーヤーたちが所属チームで最高のパフォーマンスを発揮することを1番に考える選手が多いこと、さらに今回はオリンピックの前年にあたるため、2年連続で夏の期間に代表活動することへのためらいもあるのかもしれない。

それでも全選手がNBAプレーヤー。
大会史上初の3連覇を狙う優勝候補筆頭の王者であることに変わりはない。

約半世紀ぶりの戦い 成長を見せつける日が来た

日本とアメリカが最後に戦ったのは、A代表では、1972年のミュンヘン五輪。
その時は33-99のトリプルスコアで大敗を喫した日本。
約半世紀ぶりに世界ランキング1位の絶対王者と戦うことになる。
今大会のアカツキファイブは、“過去最強”の呼び声高く、ミュンヘンの時のように、簡単に敗れることはないはずだ。

そして何より、この戦いは単なる消化試合ではない。
来年に迫る、東京五輪までにアメリカと戦えるチャンスがやってきたことは幸運。
最強のレベルを知れることで、世界との“差の縮め方”も見えてくる。

連敗の悔しさを晴らすためにも、そして、東京への弾みをつけるためにも、“過去最強”のアカツキファイブが世界を驚かせるプレーを見せてくれるはずだ。

9月5日(木)日本時間21時30分~試合開始
日本(世界ランキング48位)VS アメリカ(世界ランキング1位)
フジテレビ系列で生放送

【執筆:フジテレビ 報道スポーツ部 村山尊弘】

村山 尊弘
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