17日から、医療従事者に対して新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まり、安全性の追跡調査も行われる。

厚労省が副作用情報を公開

田村厚労相(16日午前):
副反応の情報をしっかり出していくということが、私は国民の皆さま方にご理解をいただく一番重要なところではないかと思っている。

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厚労省は、ファイザー社のワクチンを接種した場合の副反応に関する情報を公開した。

せきや呼吸困難など、接種後に急激なアレルギー反応を起こすアナフィラキシーは、アメリカではこれまでに50例

100万回の接種で5例の割合で、まれであるとしている。

また、接種後の現象として、頭痛が50%、筋肉痛が30%、悪寒が30%などとなっていて、国内の治験でも同様の傾向が見られたという。

17日からの先行接種では、接種後の健康状態について、およそ1カ月にわたって追跡調査をすることが決まっていて、厚労省は結果を広く公表していくとしている。

「副反応」と「打たないリスク」を両天秤に

三田友梨佳キャスター:
ワクチンの副反応について、私たちはどう捉えたらいいか、すでにワクチン接種が行われているアメリカで新型コロナウイルスと向き合っている日本人医師に取材しました。

NY在住 マウントサイナイ大学病院・山田悠史医師:
単純比較は難しいと思いますし、インフルエンザが1回接種なのに対して今回のワクチンは2回接種になるので、頻度は多いですが、日数やその重さはそれほど大きくないと思います。

アレルギー反応のない薬やワクチンというものはなくて、例えば私たちがよく用いる代表的なペニシリンという薬では、5000人に1人という割合でアナフィラキシーが起こると報告されています。

一方で、今回の例えばファイザー社製のワクチンだと、100万回の接種で4回ほどのアナフィラキシーの頻度が報告されていますので、そういった代表的な薬と比べると非常に低いことがわかります。

副反応の情報はどう受け止めるべき?

山田悠史医師:
情報を取っていく上で注意が必要なのは、ワクチンは有効であっても、その有効性をなかなか体の変化として感じられない。
一方で、副反応はすぐに目に見えてしまう
ので、副反応ばかりがどうしても目立って報告されてしまうという側面があります。

ですから、情報を拾うときに副反応の情報が目立ってしまうのですが、「ワクチンを打たないリスク」についてもよく認識してもらって、それを天秤にかけてしっかりと判断してもらうことが大切だと思っています。

三田キャスター:
みなさんが正しい知識の元、それぞれが判断できるように副反応についてはその後の回復についてもしっかりとお伝えすることが、伝える側の責務だと思います。
ワクチンを打っても感染対策の徹底は必要ですが、その先にはマスクの要らない日常が待っていると信じて希望を持ちたいです。

(「Live News α」2月16日放送分)