「仲間とワイワイ」や「ひとりで好きな曲をヘビロテ」、「楽器の練習」など人それぞれの使い方ができるカラオケ。その楽しみ方も時代によっていろいろ変化しているようだ。最近では「ワンカラ」という呼び名で、ひとりカラオケの専門店なども台頭してきている。
一般社団法人全国カラオケ事業協会のカラオケ白書によると、カラオケの部屋数と利用者はともに減少しているが、2001年からはほぼ横ばいの状態で推移。1995年から比べれば減っているものの、2018年でも4670万人が利用していて、カラオケの需要は世間的にまだまだ続いていると考えられる。
大人2人が入れる電話ボックス型のカラオケ
そのような中、カラオケ事業など展開する第一興商が、10月1日に新しいカラオケの楽しみ方ができき“COCOKARA(ココカラ)”を発売するという。
COCOKARAは電話ボックスのような形状で、幅と奥行きが1.5メートル・高さは本体とオプションインテリアパーツで2.4メートルとなる。大人が2人入れるくらいの広さで、椅子・ヘッドホン・マイクがそれぞれ2つずつセットされている。
アミューズメント施設、ショッピングセンターなどの商業施設内に設置される予定で、ちょっとした空き時間に1曲からカラオケを楽しむことができるというのだ。
この新しいカラオケのスタイルに、Twitterでは「これすごく良いかも普及してほしいなぁ」「待ち時間にケータイいじくるよりは良い時間の使い方ができそう」などの声があふれ、設置前から話題になっている。
たしかに、ショッピングセンターにあったら「ふらっと入って軽く1曲」となるかもしれない。もしかしたら、カラオケボックス以来の大発明?
しかし、なぜこのような斬新なスタイルを考えたのだろうか? また、ガラス張りにした理由も気になる。カラオケ好きを代表して、第一興商の担当者にいろいろ聞いた。
気軽にカラオケを楽しめる空間を提供しようと企画
ーー企画のきっかけは?
今や何をするにもおひとり様や、気の合う仲間の少人数単位で行動する時代。ひとりから少人数で気軽にカラオケを楽しめる空間を提供しようと企画しました。
また箱型のカラオケは中国を中心にアジア圏で大流行しており、訪日外国人に日本発祥の文化であるカラオケを高音質・高画質でご体験いただける様にと考えました。
ーーCOCOKARAの由来は?
「ここから始まるカラオケの新たなシーン」や「ここでカラオケが歌えるんだ⁉︎」といった従来とは異なる新たな歌唱環境を創出する機動性・意外性の意味合いで名付けました。
ーー料金体系について教えて
導入していただいた施設様とご相談させていただく形になりますので設置環境によって異なります。
ーーお金を払えばずっと使える?
料金をお支払いいただければ歌い続けられますが、2~3曲の利用が大半だと考えています。理由はより多くの歌唱を希望される方はカラオケボックスを利用されるためです。
ーーどういう使い方がオススメ?
待ち時間や空き時間に気軽にカラオケを楽しんでもらいたいと考えています。
ヘッドホン着用で音楽と自分の声がダイレクトに
ーー周りに音が漏れないようになっている?
ヘッドホンから流れる音楽を聴いて歌唱するため、大きな音が外部に漏れることはありません。
ーー自分や仲間の声もヘッドホンを通して聞こえる?
ヘッドホンで自分や仲間の声を聞くことができます。
ーーヘッドホン着用になったことで楽しめることは?
音楽と自分の声がダイレクトに聞こえるため、カラオケボックスとは異なる満足感・充足感が得られます。
見られるのが恥ずかしい人用の「擦りガラスタイプ」も用意
ーーガラス張りにした理由は?
多様化する自己表現(多くの人に見てもらいたい願望)への対応と、犯罪抑止効果です。
ーー見られるのが恥ずかしいという人用の対策は?
擦りガラスタイプ(ポリカ)もご用意しています。
ーー制作する上での苦労は?
安全性の確保です。ドア開閉時に指を挟んで怪我をしない様、ゆっくり閉まるドアクローザーを使用しました。また室内での怪我を避けるため、床面はもちろん壁面にも突起物の無い様に配慮しました。
ーー今後、一般向けに販売する予定はある?
業務用のため、一般の方に向けた販売は出来ません。
ーー発表に対しての反響はあった?
大きな反響がありました。
COCOKARAが普及すれば、買い物の合間やちょっとした待ち時間にも歌うことができるようになる。これまで以上にカラオケを身近に感じることができるのでないだろうか。
歌いたいがちょっと恥ずかしいという人にも配慮して擦りガラスタイプもあるということなので、興味のある人はぜひ試してみて欲しい。