ワクチン接種に関する詐欺で注意喚起

2月17日にも医療従事者への先行接種が始まるとされている新型コロナワクチン。感染拡大が防げるとして、期待している人も多いかもしれない。

一方で新型コロナウイルスへの不安につけ込んだ、ワクチン接種に関する詐欺の相談が増えているとして、消費者庁は9日、注意を呼び掛けるパンフレットを公開した。

出典:消費者庁
出典:消費者庁
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実際に寄せられた相談とは?

新型コロナワクチンの接種は全額公費でまかなわれるため無料にもかかわらず、行政機関などをかたる不審な電話やメールが高齢者らに届き、次のような相談が寄せられているというのだ。

・公的機関を名乗る者から「ワクチン接種で10万円を振り込むように」との電話

自宅に保健局を名乗る者から「新型コロナウイルスのワクチンが接種できる。後日全額キャッシュバックされるので10万円を振り込むように。すぐに○○銀行へ行ってほしい。口座番号をメモするように」と電話があった。娘が折り返し電話をかけ「△△保健所のことか」と尋ねたら電話が切れてしまった。(2021年1月受付、80代女性)

・「ワクチンが無料で受けられる。家は借家か、持ち家か」との電話

一人暮らしの自宅に電子音のような声で「新型コロナウイルスのワクチンが無料で受けられます。家は借家ですか、持家ですか」等と質問する電話があり、怪しいと思い途中で電話を切った。(2020年12月受付、80代女性)

・「優先的に予防接種」といった内容とURLが記載されたSMS

「新型コロナウイルス予防接種が優先的に打てる」といった内容のSMSが届いた。大臣の名前が記載されているほか、URLも記載されていたが不審だ。(2021年2月受付、30代男性)

新型コロナに便乗した消費者トラブルも

このようなワクチン接種の他にも、全国の消費生活センターには以下のような新型コロナウイルスに便乗した様々な消費者トラブルの相談が寄せられているという。

・新型コロナウイルス治療薬の書類が届き、購入代金の支払いを求められた
・保健所の職員を名乗る者から「家族は何人か。マスクを直接届ける」と不審な電話があった
・携帯電話会社名で、新型コロナウイルス関係の助成金を配布するとのメールが届いた


詐欺の手口はさまざまで、さらに、どんどん新たな手口が出てくる中、これらの詐欺を見抜く方法はあるのか?消費者庁の担当者に話を聞いた。

金銭や個人情報を求められたら要注意

――ワクチン詐欺の相談は増えているの?

ワクチン関連の相談は少しずつ増えてきています。ワクチン接種に絡んで金銭や個人情報をだまし取ろうとするものが約10件。

その他、少し前にはワクチン開発に絡んで投資を持ち掛けるものなどの相談も約10件ぐらいあり、確認されているのは全体で約20数件です。


――詐欺に騙されないポイントは?

まず、ワクチン接種は無料ですので金銭を求められたら怪しいと思ってください。また各自治体はワクチンを接種する人の情報を持っていますので、電話やメールで個人情報を聞かれたら怪しいです。

ワクチン詐欺に関する相談に対し、国民生活センターは15日に専用の電話窓口を開設する。番号は0120-797-188で、時間は10:00~16:00(土日祝も受付)まで対応する。

また同日、ワクチン接種のスケジュールや手順などに関する相談を受け付ける厚生労働省新型コロナワクチンコールセンター、0120-761-770も開設される。

ワクチン接種にあたり、金銭や個人情報など「何かを求められた場合は詐欺の可能性が高い」と考えておけばよさそうだ。もしこのような電話やメールがあった場合、すぐには対応をせずに一度、国民生活センターの相談窓口などに問い合わせてほしい。

・厚生労働省が公開しているワクチンの最新情報をまとめたページはこちら

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プライムオンライン編集部
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