フェイスペイント・タトゥーシールで事故発生

いよいよ20日からラグビーワールドカップ2019日本大会が開催!
会場はもちろんテレビの前でも、ユニフォームを着たり国旗の「フェイスペイント」をしたり、たくさんの人が応援するだろう。
最近では応援の定番スタイルにもなってきた「フェイスペイント」や、10月末のハロウィーンなどで体に貼る「タトゥーシール」について、消費者庁が注意を呼び掛けている

左:タトゥーシール  右:フェイスペイント  出典:消費者庁

「タトゥーシールを頬に貼ったところ、炎症を起こす重傷になった…」
これは9月3日に通知された事故。

消費者庁にはタトゥーシールで起きた事故はこれまで5件寄せられていて、フェイスペイントの事故は2013年に1件、いずれも内容は皮膚障害。
中には、幼稚園児の頬に100 円ショップで買ったタトゥーシールを貼ったところ、使用方法に従っていたにもかかわらず剥がれにくくなり、翌日綿棒でこすり取るとシミのような跡が残ってしまったという事例や、皮膚が色素沈着したり、治療に1か月以上かかったケースもあるという。

そこで、市販されているフェイスペイントやタトゥーシールに有害な成分が含まれていないか、国民生活センターがテストを行った。

ネット上で販売されているタトゥシール11銘柄とフェイスペイント9銘柄を調べたところ、日本語で皮膚に関する注意が書かれていたのは5銘柄
成分表示があったのは8銘柄で、そのうち1銘柄には化粧品に使われない色素が含まれているとの表示があった。

成分を調べると、表示がないにもかかわらず金属アレルギーを起こす可能性のあるクロムやコバルトが11銘柄から検出された。
さらに、化粧品への配合が禁止されているホルムアルデヒドが、タトゥーシール3銘柄、フェイスペイント1銘柄に含まれていることが分かった。
ただちに問題が起きる濃度ではないが、長時間の使用や繰り返しの使用によってアレルギー性の皮膚炎などを引き起こす可能性があるという。

実は、タトゥーシールや化粧品ではないフェイスペイントには法規制や基準などはないそうだ。
では安全に楽しむためにはどうすればいいのか?
注意点や安全を確かめる方法を消費者庁の担当者に聞いてみた。

日本語表記があっても安心できない

――フェイスペイントやタトゥーシールは化粧品に該当しない?

薬機法上は化粧品や医薬部外品には該当しません。
保湿効果を謳うなど、化粧品に該当する物も理論上あり得ますが、今回テストしたものは化粧品ではなく「雑貨」として扱われています。

――日本語表記がある方が安心して使える?

当方で調べた限りですと、100円ショップで販売されていたある銘柄は、日本語表記はあったものの「除光液で落としてください」と書かれていました。
直接皮膚に除光液を塗ることは推奨しかねますので、日本語表記があるから安全と言えるものではないと考えております。

安全を示すマークがあっても油断禁物

――買う時は何に気を付ければいい?

購入時は使用法などを確認していただくことが一番重要です。
外国語で読めないという問題があるだけでなく、今回購入した製品の中には、なにも書かれていない銘柄もございました。

――ネット販売で使用法などが確認できない場合は、気を付けることも難しい?

おっしゃる通りだと思います。

――JISマークみたいな、安全だとわかる目印はないの?

EUの基準に適合していることを示す「CEマーク」は一つの目安にはなると思います。
ただ「CEマーク」をデザインとして使っている可能性もありますので、「CE」と書かれているから絶対安全とは言い切れないかもしれません。

CEマーク

消費者庁は、フェイスペイントについて外国製品が多いことからEUの「CEマーク」など海外の基準をクリアしているかが目安の一つになるとしている。
テストした製品の中にはアメリカ規格である「ASTM準拠」と書かれていたものもあったというが、文字が非常に小さく読みにくかったそうだ。

特に子どもは注意が必要

イベントやテーマパークでは、幅広い年代の人がフェイスペイントやタトゥーシールを楽しんでいるが、子どもに関しては注意が必要だという。
消費者庁は、子どもは大人よりも表皮が薄いため、外部からの刺激に弱く、顔、特に目の周りや頬などの肌の敏感な部分には使用しない方がよいとしている。
また、大人用のメイク落としが子どもの肌に合わない場合もあるという。

アレルギー疾患を専門としている藤田医科大学の松永佳世子教授は、フェイスペイントやタトゥーシールの落とし方について次のように述べている。

「セロハンテープで除去する等の方法が書いてある製品があるようですが、それでは皮膚の角質も一緒に剥がれてしまいます。落とすときは、クレンジングの後、石けんで洗い、保湿した方がよいと思われますが、その際も優しく、こすりすぎないなど、十分に注意してください。」

使う前にやってほしい「安全テスト」

消費者庁は、フェイスペイントやタトゥーシールの安全を確かめるため、次のようなテストをすることを勧めている。

・腕の内側などの目立たないところに、シールの一部を貼ったりペイントを塗る
・30分後と、48時間後の肌の様子を見る
・肌に赤みや腫れなど等の異常が起きないことを確認してから使う

その他にも気を付けることはないのか、聞いてみた。

――使用前に気を付けることは?

やはり(上記の)テストをしていただきたい。
はがれにくかったり落としにくかったりする製品も多いので、「はがしにくさ」「落としにくさ」もチェックしていただいたうえで、貼る場所も考えていただくことが必要だと考えております。

――フェイスペイントやタトゥーシールは今後、法規制や基準等が作られる?

今のところ当方では承知しておりません。


せっかく楽しく盛り上がるために使うフェイスペイントやタトゥーシールで、悲しいトラブルが起きないよう使用前に、上に書いたテストを試すなど十分注意して欲しい。